車、電化製品、ロボットなど、世界的に評価の高い日本の「ものづくり」。
アニメ・マンガなどのサブカルチャーもいまや子供だけではなく大人にも大人気です。
日本のこういった「もの」に対するこだわりは最近始まったわけではなく昔から脈々と受けづかれてきたものです。
現代に比べるとインフラがだいぶ劣っていたはずなのに、
昔の日本の職人たちの技量の高さに感服です。
そんな彼らの技術が生かされたものがいわゆる「伝統工芸品」。
今回は、その伝統工芸品について紹介していきたいと思います。
伝統工芸品とは。
【伝統】
古くからの、しきたり・様式・傾向・思想・血筋など、有形無形の系統をうけ伝えること。また、うけついだ系統。
※大辞林より
【工芸】
① 工作上の技芸。製造に関する技術。
② 造形美術の一つ。「機能」と「装飾」との両面を調和させて、織物・染め物・漆器・陶磁器など、日常生活に役立つ物品を制作すること。また、その制作物。
※日本国語大辞典より
外国人の方々に伝えるためにもっとわかりやすく言うならば、
【伝統工芸品】とは、
むかしからある「考え」から作られ、
普段の日本の生活で使われるもの
と直すことができます。
日本の「伝統工芸品」を選ぶ基準
現代では、
日本の伝統工芸品には法律で決められた5つの基準があります。
【伝統工芸品産業の振興に関する法律(昭和45年5月25日公布)】
(伝統的工芸品の指定等)
第二条 経済産業大臣は、産業構造審議会の意見を聴いて、工芸品であつて次の各号に掲げる要件に該当するものを伝統的工芸品として指定するものとする。
一 主として日常生活の用に供されるものであること。
二 その製造過程の主要部分が手工業的であること。
三 伝統的な技術又は技法により製造されるものであること。
四 伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるものであること。
五 一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているものであること。
どんなものが「伝統工芸品」なのか。
しっかり法律で定められているんですね。
これをまた分かりやすく言うと、
一 日本の生活の中で使われていること
二 作る時に人間の手を使っていること
三 むかしからある方法で作られていること
四 土、木、竹など自然のものを使っていること
五 どこでも作られているのではなく、ある地域だけで作られていること
この五つすべてにあてはまれば「伝統工芸品」に該当します。
たんに「昔からあるもの」とするのであれば、「車」も当てはまります。
この選定基準であれば、限定されますね。
では、
本文にたくさん「伝統的」という言葉がでてきますが、
「伝統的」とは一体いつからなのでしょうか?
【伝統的】
「伝統的工芸品ハンドブック(伝統的工芸品産業振興協会)」では、「伝統的」と認められる年数は「100年以上の歴史を有し、現在も継続しているもの」との基準が示されています。
100年前と言えば1900年。
日本は、明治時代。大正にもうすぐなるという時期で、外国の影響を受けて農業国から工業国へ移り変わる節目の時期でもあります。
「伝統的」と言えるには、最低限この時期までには「工芸品」の作り方の基盤ができていなければならないということになります。
「伝統工芸品」にはどんなものがある?
日本では現在、経済産業大臣が指定する「伝統工芸品」は232品目あります。
(平成30年11月時点)
そのなかのいくつかを見ていきましょう。
【南部鉄器(岩手県)】
南部鉄器(なんぶてっき)は、岩手県盛岡市周辺で作られている金工品です。江戸時代中期に誕生した伝統工芸品で、南部藩で作られていたことから「南部鉄器」という名前が付けられました。現在の南部鉄器には、伊達藩領の旧水沢市(現在の奥州市)で作られていた鋳物も含まれています。
南部鉄器の特徴は、さびにくく長持ちすることや熱が均一に伝わること、保温性に優れていることなどです。鉄器ならではの重量と安定感、ざらりとした独特の風合いも相まって、素朴ながらの美しさも魅力となっています。
南部鉄器の特徴は、さびにくく長持ちすることや熱が均一に伝わること、保温性に優れていることなどです。鉄器ならではの重量と安定感、ざらりとした独特の風合いも相まって、素朴ながらの美しさも魅力となっています。
※南部鉄器より引用
【西陣織(京都府)】
西陣織(にしじんおり)は京都府京都市街の北西部で作られている絹織物です。西陣とは京都の北西部(上京区、北区)にあたる地域の名称で、西陣の織屋(織物業者)が製造する織物を西陣織といいます。
始まりは古墳時代と古く、室町時代に京都で起こった「応仁の乱」を機に西陣織の名称がつけられました。織屋によって製造工程が多少異なりますが、法律によって現在では12種類の品種が西陣織に指定されています。
西陣織は、紗(しゃ)や羅(ら)といった透かし生地や二重構造の風通といった、多彩な織り方が発達していことが特徴的です。そして生地は先染めをしてから織っているため、一般的な染色法である後染めよりも丈夫で、シワになりにくい点も魅力の一つです。
始まりは古墳時代と古く、室町時代に京都で起こった「応仁の乱」を機に西陣織の名称がつけられました。織屋によって製造工程が多少異なりますが、法律によって現在では12種類の品種が西陣織に指定されています。
西陣織は、紗(しゃ)や羅(ら)といった透かし生地や二重構造の風通といった、多彩な織り方が発達していことが特徴的です。そして生地は先染めをしてから織っているため、一般的な染色法である後染めよりも丈夫で、シワになりにくい点も魅力の一つです。
※西陣織より引用
【伊万里焼・有田焼(佐賀県)】
伊万里焼(いまりやき)・有田焼(ありたやき)は、佐賀県有田町周辺で作られている磁器です。薄く華奢な印象の伊万里焼・有田焼ですが、どちらも陶石から作られた磁器のために耐久性に優れています。
伊万里焼・有田焼の特徴は、キメが細かくなめらかな手触り、透明感のある白磁に染め付け呉須の藍と鮮やかな赤の配色です。元々伊万里焼と有田焼はほぼ同じもので、どちらも有田・三川内・波佐見で作られていましたが、出荷する駅や港の名前を使って有田焼・伊万里焼と呼ばれるようになりました。
伊万里焼・有田焼の特徴は、キメが細かくなめらかな手触り、透明感のある白磁に染め付け呉須の藍と鮮やかな赤の配色です。元々伊万里焼と有田焼はほぼ同じもので、どちらも有田・三川内・波佐見で作られていましたが、出荷する駅や港の名前を使って有田焼・伊万里焼と呼ばれるようになりました。
※伊万里焼・有田焼より引用
【博多人形(福岡県)】
博多人形(はかたにんぎょう)は、福岡県博多地区で作られている素焼き人形です。博多人形の特徴は、繊細かつ豊かな人形たちの表情や細かな彫り込み、そして素焼き人形とは思えない美しい曲線美や落ち着いた発色です。
その優美な佇まいは、1900年(明治33年)に開催されたパリ万国博覧会を始めとした、国内外での数々の博覧会・展示会でも高い注目を集めました。現在でも、海外の来賓への贈り物として重宝されているほか、諸外国へも盛んに輸出されており、福岡県が世界に誇る無形文化財の一つとなっています。
その優美な佇まいは、1900年(明治33年)に開催されたパリ万国博覧会を始めとした、国内外での数々の博覧会・展示会でも高い注目を集めました。現在でも、海外の来賓への贈り物として重宝されているほか、諸外国へも盛んに輸出されており、福岡県が世界に誇る無形文化財の一つとなっています。
※博多人形より引用
以上4品目をKOGEIJAPANより紹介させていただきました。
指定品目が多い都道府県は、京都、東京、新潟、愛知などが挙げられます。
一番新しく指定品目になった伝統工芸品は、
奈良墨(奈良県)と
三線(沖縄県)
です。
やはり京都は歴史的な場所だけあって、工芸品の数も多いんですね。
さいごに
今回は、日本の「伝統工芸品」について紹介しました。
「クールジャパン」などと言われ世界中から注目を集める日本の伝統工芸品。
それは、むかしからずっと生き続けている「ものづくりの精神」によって作られています。
自分たちよりはるか昔を生きていた「日本の職人」たちを誇りに思うと同時に
日本文化の象徴の1つとして、
伝統工芸品がこれからもたくさんの外国の方々に愛され続けることを願います。