ますますコロナウイルス感染者が増加している「インドネシア」。
4月下旬になり、イスラム教徒にとって大切な「ラマダン(断食月)」が始まる。
多くのイスラム教徒がいるインドネシア。
彼らはコロナ感染を抑えるために自粛するのか、
それとも、こんな事態であっても「信仰」を優先するのか。
インドネシア政府はどのような対応にでるのか。
その結果が分かるのは5月下旬になります。
※KOMPAS.comより画像引用
そもそも「ラマダン(断食月)とは」
イスラム教徒が行う五行(5つの実践項目)の1つ。
ヒジュラ歴(イスラム歴)の9月。
今年のラマダンは、西暦でいうところの2020年4月24日から5月23日までです。
イスラム教徒は、この月の日の出から日没までの間、飲食を断つことで貧しい人を思いやる気持ちを育み、神の恵みに感謝します。
断食は日中だけであり、日没後は、家族や親戚などと食事を共にし、ショッピングモールやフードコートで夜遅くまで過ごす人もいます。
インドネシア政府の動き
インドネシア政府は、コロナウイルスへの対策としてイスラム教徒に対してテレビなどを使い、イスラム教指導者の言葉を流し、モスクではなく家から礼拝し、日没後の家族や親戚との食事をオンラインで共有するなどの自粛の動きを促しています。
また、
政府は、4月21日に帰省の禁止を発表しました。
イスラム教徒にとってラマダン明けにある「レバラン」はとても大きな祭事。
ラマダン明けを祝うこの大祭は、日本でいうお盆と正月が同時にきたような日になります。
イスラム教徒は、レバランに合わせて帰省する慣習があり、毎年およそ2000万人もの大移動がみられます。
政府は、地方への感染拡大を防ぐため、現在最多の感染者を出しているジャカルタ首都圏からの人の往来を禁止し、鉄道やバスの運行も減らしました。
各地に検問所を設置し、違反者には禁錮1年か罰金1億ルピア(約69万円)などの罰則を科す可能性があります。なお、罰則適用は5月7日から始まります。
ただ、地元メディアによると、首都圏の高速道路では23日、帰省の車両で渋滞が発生し、ジャカルタを離れる車両が27%増え、罰則適用を前に脱出する人がたくさんいました。
また、インドネシア・アチェ州の有力なイスラム教団体などは、政府の外出禁止令に反発し、ウイルス感染抑制の動きが高まる中であっても、イスラム法の違反者を裁くために大勢の観衆が集まる公開むち打ち刑を実行したりしています。
本来であれば、日中はイスラム教の義務を全うし、日没後は家族とともに食卓を囲み食事を楽しんだり、ショッピングモールに買い物したりと楽しい日々を過ごすはず。
しかし、今年はコロナ。
異例のラマダンとなります。
コロナウイルスの影響は?インドネシアの現状
4月17日時点で、感染者は5923人でした。
詳細は、こちらをご覧ください。
1週間が経過し、
4月24日時点で、感染者は、8211人確認されています。
また、死者数は689人、回復者数は1002人確認されています。
【国内感染者数(日ごと)】
ここ数日の感染者数の推移をみてみると、
23日の感染者数が、7715人
22日の感染者数が、7418人
21日の感染者が、7135人
先週と変わらず300~400人ペースで感染者が増えています。
【州別】
前回同様、インドネシアにある34州で感染者が確認されています。(2020/2/24時点)
感染者数上位5州をみてみると、
①ジャカルタ首都特別州(ジャワ島)3599人
②西ジャワ州(ジャワ島)862人
③東ジャワ州(ジャワ島)690人
④中部ジャワ州(ジャワ島)575人
⑤南スラウェシ州(スラウェシ島)420人
です。
依然、首都ジャカルタが最多で、ジャワ島の感染率が高いです。
また、中部ジャワ州での感染も目立ってきています。