4月24日から始まったラマダン。
モスクでのお祈り、日没後の外食禁止。
今年はいままでとは違うラマダンになります。
とあるインドネシアのコンサルト会社の代表はこう警告します。
「帰省シーズンでもあるイスラム教の断食月(ラマダン)から1カ月の間に、どこまで行動を制限できるかが喫緊の課題である」
政府の動き
KOMPAS.comより画像引用
インドネシアは4月の下旬に、帰省禁止に強制力を持たせるため、移動制限に関する法令を公布しました。
4月24日から5月31日まで、陸上、鉄道、海上、航空の交通機関の運行と使用を禁止する内容です。
ラマダンの間は、ラマダン明けの大祭「レバラン」に向けて、大移動が見られる時期ですが、
帰省禁止となった以上、今年は異例のレバランとなります。
また、政府は5月6日に移動制限の例外となる対象者の基準を定めました。
①新型コロナ対策、国防・治安維持、医療、基礎必需品、重要な経済機能に関わる政府または民間機関の就労者
②緊急医療を必要とする患者、重病者または死亡者とその家族
③海外から帰国した労働者や留学生
政府機関や民間の代表者でない場合には、帰省者でないことを示す証明書に、収入印紙を添付して署名し、所在地の村長の確認を得ていることも義務づけました。
これを受けて、国営のガルーダ・インドネシア航空は5月7日から一部の国内線の運航を再開しています。鉄道会社、海運会社の運行に関してはまだ明らかではありません。
国内のコロナ感染者数。現在の状況。
KOMPAS.comより画像引用
5月7日時点で、国内の感染者数は1万2776人です。ついに1万人を超えました。
また、死者数は930人、回復者数は2381人確認されています。
東南アジアで見れば、シンガポールに次いで多く、死者数においてはトップです。
【国別(東南アジア)】
・シンガポール 20939人
・フィリピン 10343人
・マレーシア 6467人
・タイ 2992人
・ベトナム 288人
・ミャンマー 176人
・ブルネイ 141人
・カンボジア 122人
・東ティモール 24人
・ラオス 19人
【国内感染者数(日ごと)】
ここ数日の感染者数の推移を見てみます。
6日の感染者数 12438人
5日の感染者数 12071人
4日の感染者数 11587人
3日の感染者数 11192人
300人~400人ペースで感染者数が増えています。
感染率を抑えるためにもラマダン中の国民の行動がカギとなります。
【州別】
前回同様、インドネシアにある34州で感染者が確認されています。(2020/5/7時点)
感染者数上位10州を見てみます。(前回は上位5州)
①ジャカルタ首都特別州(ジャワ島)4855人
②西ジャワ州(ジャワ島)1381人
③東ジャワ州(ジャワ島)1267人
④中部ジャワ州(ジャワ島)904人
⑤南スラウェシ州(スラウェシ島)684人
⑥バンテン州(ジャワ島)495人
⑦西ヌサ・トゥンガラ州(ロンボク島、スンバワ島)300人
⑧バリ州(バリ島)287人
⑨西スマトラ州(スマトラ島)252人
⑩パプア州(ニューギニア島)252人
です。
前回投稿したときと変わっておらず、依然首都ジャカルタが最多です。
今回から上位10州を掲載します。