「格別」と「別格」
「やっぱ、仕事終わりのビールの味は格別だな!」
仕事終わりのサラリーマンが居酒屋でビールを片手に言うセリフですね。
では、この文はどうでしょう。
「仕事終わりのビールの味は別格だな!」
う~ん。
ちょっと違和感があるかもしれません。
では、
「格別」と「別格」
「格」と「別」の漢字が入れ替わっただけですが、
意味は違うのか?同じなのか?
また、どう使い分けるのか?
今回は「格別」「別格」について紹介します!
格別
【名詞・形容動詞】
普通とは違うこと。特にすぐれていること。また、そのさま。
※大辞林第三版より引用
●仕事終わりのビールの味は格別だ!
ここでの格別は
「仕事が終わり、疲れたあとに飲むビールはより特別おいしい」
という意味合いになります。
また
●この会社の技術力は格別だ!
と言えば
「技術力が他社に比べて格段高い、優れている」という意味合いになります。
別格
きまった格式によらないこと。特別であること。例外的な扱いを受けること。
※大辞林第三版より引用
「特別である」という意味は「格別」と同じですね。
ただ、ニュアンスが少し違うところを挙げると、
「例外的な扱い(特別な扱い)」ということです。
●女優の中でも、彼女は別格だ!
「彼女の能力や技量がかなり高く、他の女優とはランクの格が違う」と
良い意味でもとれますし、
「親の七光りであり、他の女優と比べて『扱い』が特別で格が違う」と
皮肉がまじった良くない意味でもとれますね。
では、
これはどうでしょうか。
●女優の中でも、彼女は格別だ!
ちょっと違和感があります。
もし「格別」を使うのであれば、
●女優の中でも、彼女の演技力は格別だ!
「演技力」といった他に比べて特別に優れているものを明確にするといいです。
冒頭に挙げた例文に戻ります。
●仕事終わりのビールの味は別格だな!
別格=例外的な扱い(特別な扱い)
仕事終わりのビールの味=別格???
ここで伝えたいこととはちょっとニュアンスが違います。
例えば、
あるレストランで提供しているビールが高級ビールで
他のビールと比べて、品質が圧倒的に高く、風味も最高な場合、
つまり、そのビールのランクが他とは違う場合、
●数あるビールの中でも、このビールは別格だ!
このように「別格」を使うことができます。
まとめ
どちらも「特別である」という意味があります。
さらに細かく見れば、
格別
普通とは違う
別格
例外的な扱い
という意味です。
左右の漢字が入れ替わっただけで、ニュアンスの違いがでてくる。
日本語って面白いですね。
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