あの分からずやの部長!企画書を明日まで提出するのは無理だ!
あの分からずやの部長!企画書を明日までに提出するのは無理だ!
私たち日本人は人と話すとき、意識せずとも、『まで』と『までに』を自然と使い分けることができていますが、
外国人にとっては、この違いを理解することが難しいそうです。
確かに、日本語母語話者の私たちも、
いざ、
『まで』と『までに』って何が違うの?
使い分ける基準って何かあるの?
と聞かれたら、返答に困るかもしれません。
今回は
そのような時の表現
『まで』と『までに』について紹介していきます。
『まで』と『までに』の意味
まで
事態の至り及ぶ時間的・空間的・数量的限界を示す格助詞。
※精選版日本国語大辞典より引用
●明日まで待ってください。
までに
格助詞「まで」に格助詞「に」のついたもの。
『まで』と同様に事態の至り及ぶ時間的・空間的・数量的限界を示す。
※精選版日本国語大辞典より引用
●月末までに書きあげよう。
『まで』と『までに』
辞書での意味は一緒です。
『まで』と『までに』の使い分け!
「意味が一緒ということはどちらを使ってもかまわないの?」
そのように思われる方もいると思いますが、
『まで』と『までに』
あるポイントをしっかり理解することで、明確に使い分けることができます。
では、そのポイントとはいったい何か?
ポイントは
どんな動詞と結びつくか
です。
『まで』は
継続する状態や動作を表す動詞と結びつき、
『までに』は
終了を表す動詞と結びつきやすいです。
具体的にどんな動詞があるかと言うと、
①まで
いる、続ける、続く、滞在する、待つ、勉強する、雨が降る、開いている、やっている、など
②までに
終わる、終える、出す、提出する、仕上げる、書き上げる、返す、返事する、行く、来る、帰る、など
【例文】
●明日までに提出するのは無理だ!〇
●明日まで提出するのは無理だ!✖
※記事の最初に挙げた例文も同じ。
●いったい校長の話は何時まで続くのかな。〇
●いったい校長の話は何時までに続くのかな。✖
●週末までに書き上げよう。〇
●週末まで書き上げよう。✖
●明日まで大雨が降るらしいよ。〇
●明日までに大雨が降るらしいよ。✖
人と話すときに
「次にくる動詞は○○だから『まで』を使うんだ!」
と考えながら話すのは難しいですが、
文章を書くときには時間があるので、
『続く』『やっている』などの継続する状態や動作を表す動詞と結びつくのは
『まで』
『終える』『仕上げる』などの終了を表す動詞と結びつくのは
『までに』
といったように
考えながらやると面白いかもしれません!
まぁ、私たち日本人は無意識のうちに使い分けていますが。。。
この混同も多い!?『~までに』と『~中に』
①レポートは来週までに提出してください!
②レポートは来週中に提出してください!
より早く提出しなければならないのは①です。
『AまでにB』
Aは時点を表します。Aより前に「Bを終了する」という意味です。
●17時までに本を返さないと!
17時までが範囲です。
●新学期までに書類を揃える必要がある。
『新学期』が始まるその前までが範囲です。
●夏休みが終わるまでに自由研究を終わらせないといけません。
『夏休みが終わる』その前までが範囲です。
『A中にB』
Aは期間を表し、「その期間の間のどこかでBを終了する」という意味です。
●冬休み中に旅行する。
「『冬休み』という期間のどこかで旅行する」という意味になります。
①レポートは来週までに提出してください!
②レポートは来週中に提出してください!
①は『来週』が始まるその前までが「レポートを提出する」範囲ですので、
つまり、今週には終わらせないといけません。
②は『来週の(一週間の)間のどこかで提出してください」という意味ですので、
①より遅くてかまいません。
『AまでにB』『A中にB』
先にBを終了するのは『AまでにB』と覚えましょう!
まとめ
『まで』と『までに』
『までに』と『中に』
『日本語って意識すれば面白いな!』
そう思っていただけたら幸いです!
今回もご覧いただき、ありがとうございました!