今回はインドネシア語の使える「二人称」について紹介します!
まず、「二人称」とは相手(聞き手、読み手)のこと。
日本語で、「あなた」、
英語で、「you」が
これに該当します。
じゃあ、インドネシア語では何?
ということですが、たくさんあります。
私が知っている二人称だけでも15個はあります。
インドネシアには
公用語であるインドネシア語のほかにもたくさんの民族語が話されているので、
それらを入れると二人称を表す単語だけでも100を超えるのではないかと思います。
この記事の冒頭にて、
『使える「二人称」について紹介します!』
と明記した通り、
今回、この記事を見てくださったみなさんに
覚えてほしい二人称は4つだけです。
では、さっそくみていきましょう!
これだけ覚えよう!使えるインドネシアの呼びかけ!
『Anda』
日本語で「あなた」という意味の単語です。
インドネシア語初級の単語で、
インドネシア語を一度でも勉強したことがある方は分かると思います。
●Siapa nama Anda?
あなたの名前は何ですか?
●Anda tinggal di mana?
あなたはどこに住んでいますか?
このような定型的な文をインドネシア語の参考書や旅行の会話フレーズ本などでよく目にしますが、
実際、インドネシアで現地の人がこの「Anda」を使ったセリフを言っているかと言うと、
あまり言っていません。
つまり、
「Anda」という単語はインドネシアの日常生活ではほぼ使われないということです。
そもそも、この「Anda」はかなりフォーマルな単語で、裁判所や警察など公的な場所で使われます。
友だちと話すときに使ったら「超かたいやつ!」「超真面目なやつ!」といった印象を相手に与えるかもしれません。
※「Anda」を使ったらいけないというわけではありません。
私もインドネシアに長期滞在したことがあるのですが、
言われてみれば、私も現地の人から「Anda」と言われた記憶がありません。
私自身はたくさん使っていた気がする。。。(笑)
では、
この「Anda」に代わる
4つの「二人称」をみていきましょう。
Bapak(短縮形:pak)
Ibu(短縮形:bu)
Mas
Mbak
※画像はダウンロードしてもかまいません!
「Bapak」「Ibu」「Mas」「Mbak」
の4つを紹介しました。
それぞれ、さまざまな意義がありますが、
これらすべて
「二人称」として使えます。
人と話す際、かたい印象を与えない「あなた」というニュアンスを持ちます。
例文を見てみましょう。↓
●Siapa nama Anda?
あなたの名前は何ですか?
●Anda tinggal di mana?
あなたはどこに住んでいますか?
先ほど挙げた例文です。これを、
●Siapa nama Bapak?
あなたの名前は何ですか?
(自分より年配の男性に尋ねる)
●Mas tinggal di mana?
あなたはどこに住んでいますか?
(自分の年齢と近い男性に尋ねる)
「Bapak」「Mas」を使った方が自然な会話になります。
※注意
「Mas」と「Mbak」がジャワ語ということで、
「ジャワ島以外の島ではあまり話されていないんじゃ。。。」
と思う方もいると思います。
確かに、島/地域にはそれぞれ民族語があり、
現地の人は普段、友だちや家族と民族語を使って話すことが多いです。
スマトラ島やカリマンタン島などジャワ島以外の島に行って、
「Mas!」「Mbak!」と言っても通じない可能性もあります。
※私自身もジャワ島にある町に住んだことがあり、その経験のもと、主にジャワ島で使うことを意図して今回の記事を書いています。ご了承ください。
ただ、首都ジャカルタで話されている言語もジャワ語であり、
インドネシア五大都市のうち4都市(ジャカルタ、スラバヤ、バンドン、スマラン)はジャワ島に位置する都市であり、ジャワ語を話す人が多いです。
ですので、他の島に行っても「mas」「mbak」を知っている人の割合は高いと思われます。
もし「mas」「mbak」が通じず、島の現地語も分からない場合は「Anda」を使いましょう。
「すみません!」 呼びかけ表現としても使える!
この
「Bapak」「Ibu」「Mas」「Mbak」は、
相手を呼ぶときにも使えます。
日本では、
親しくない相手を呼ぶとき(例:店員さん)、
「すいません!」と言うことが多いと思います。
インドネシア語でも、この「すみません」に該当する
慣用的な表現として「permisi」という単語があります。
ただ、これもフォーマルな単語で、日常生活ではあまり使いません。
この「permisi」を日常で使う場面を挙げるなら、
人と人の間を通るとき、などに使います。
日本でも電車やバスを降りるときに周りに人がいたら
「すいません」と言うと思います。
インドネシア語では「permisi」がこれに該当します。
人を呼ぶときにも使ったらいけないのかと言うと、そうではありませんが、
やはり
「Bapak」「Ibu」「Mas」「Mbak」
をおすすめします。
実際にどんな場面で使えるか、
イラストで確認していきましょう。
※注意
先ほどと同様、「mas」「mbak」はジャワ島以外の島で使った場合、通じない場合があります。
通じない場合は「Permisi」を使いましょう。
どこまでがMas?Mbak?どこからがBapak?Ibu?
「35歳~」というのはあくまで私の主観です。
さいごに
今回はインドネシアの「使える二人称」をテーマに紹介しました。
最後の最後にこんなことを言うのはおかしいですが、
別に「Anda」を使ってもいいのです。
「BapakやIbuなどの単語はたくさん他にも意義があってややこしい!」
「私たちは現地の人からみたら外国人だから、「Anda」を使っても違和感ないんじゃない?」
「シンプルに『Anda』一つを覚えた方が楽!」
このように思われる方もいると思うので。
ただ、
どの国でも言葉と文化は切っても切れないつながりがあるので、
現地で話されている言葉、よく使われている言葉に近づいたほうが、
よりよいコミュニケーションがとれるのではないかと思います。
その一環として、
「Bapak」「Ibu」「Mas」「Mbak」
に焦点を当て、お伝えしました。
今回の記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました。