日本に日本語教師ってどのぐらいいるの?
令和2年(2020年)時点では、41,755人です。
前年度は46,411人でしたので、4,656人減少しています。
減少の主な原因は新型コロナウイルスの感染拡大の影響によるものだと考えられます。
※人員削減、倒産など
ただ、平成2年度(1990年)の日本語教師数と比較すると、5倍に増えています。
●日本語教師数(平成2年度):8,329人
ではこれから、
さらに細かく見ていきましょう。
機関・施設別
日本語教師が勤務する場所で多いところはどこか。
Top3は
①法務省告示機関:11,554人
②国際交流協会:8,940人
③任意団体:6,414人
です。
日本にいる日本語教師(41,755人)の3割程度が法務省告示機関で働いているということですね。
●法務省告示機関とは?
名前の通り言うと、
法務省が「日本語教えていいよ!」と許可を出した機関のこと。
授業時間や教員数、教員歴など法務省が定めた基準があり、
その基準を満たせば、学校(機関)の設立を認められます。
令和3年(2021年)8月時点で法務省に認められている学校(機関)は以下のページをご参考ください。↓
【出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令の留学の在留資格に係る基準の規定に基づき日本語教育機関等を定める件】
https://www.moj.go.jp/isa/laws/nyukan_nyukanho_ho28-2.html
●国際交流協会とは?
地域に暮らす在日外国人と日本人の交流のために設立された組織。
※Wikipediaより引用
●任意団体とは?
人が何人か集まって作られた法人ではない団体。
※『国際交流協会』や『任意団体』により運営されている日本語教室が多い。
ここでの日本語教室とは、個人により公共施設の一室や個人の自宅などで開かれるものを指す。
従事(雇用)形態別
どのような従事(雇用)形態で日本語を教えている教師が多いのか。
最も多いのは、ボランティア。
①ボランティア日本語教師:21,898人
②非常勤日本語教師:13,989人
③常勤日本語教師:5,868人
日本にいる日本語教師(41,755人)の半数がボランティアとして日本語教育に従事しています。
また、令和元年(2019年)と比較すると、
ボランティア(−2,847人)、非常勤(−1,042人)、常勤(−767人)、すべての形態で日本語教師数は減少しています。
年代別
どの年代の日本語教師が多いのか。
最も多い年代は60代。
以下各年代の内訳です。↓
※円グラフ内の数字は日本語教師数を示す。
※文化庁『国内の日本語教育の概要』を参考に作成。
水色が60代(9,727人)です。
日本にいる日本語教師(41,755人)の2割程度が60代の方です。
日本語教師が一般的に魅力ある職業と認知され、10代、20代の日本語教師が増えることを願います。
地域別
どの地域の日本語教師が多いのか。
最も多い地域は関東。次いで、近畿。
以下各地域の内訳です。↓
※円グラフ内の数字は日本語教師数を示す。
※文化庁『国内の日本語教育の概要』を参考に作成。
橙色が関東(19,259人)です。圧倒的に多いですね。
日本にいる日本語教師(41,755人)のおよそ半数が関東で働いています。
さらに都道府県別に見ると、
TOP10は
①東京都:10,826人
②大阪府:3,883人
③愛知県:2,864人
④兵庫県:2,442人
⑤神奈川県:2,347人
⑥千葉県:2,259人
⑦埼玉県:2,136人
⑧京都府:1,554人
⑨福岡県:1,475人
⑩静岡県:1,161人
関東地域の日本語教師の半数が東京都で働いています。
日本に日本語学習者ってどのぐらいいるの?
※ここでの「日本語学習者」は日本語を学ぶ者のことを指す。
また、在留資格「留学」を有する人数を指すものではない。
令和2年(2020年)時点で、
日本にいる日本語学習者は160,921人です。
前年度は277,857人でしたので、116,936人減少しています。
減少の主な原因は日本語教師と同じく、
新型コロナウイルスの感染拡大の影響によるものだと考えられます。
※日本への入国禁止、制限など
ただ、平成2年度(1990年)の日本語学習者数と比較すると、2.7倍増えています。
●日本語学習者数(平成2年度):60,601人
機関・施設別
日本語学習者が勉強する場所で多いところはどこか。
Top3は
①法務省告示機関:54,539人
②大学等機関:44,276人
③国際交流協会:19,998人
です。
日本語学習者全体(160,921人)の3割程度が法務省告示機関で勉強しています。
次いで、大学等機関が多いです。ここが『日本語教師の従事先』と違うところですね。
出身地域別
どの地域出身の日本語学習者が多いのか。
最も多いのは、アジア地域。
以下各地域の内訳です。↓
※円グラフ内の数字は日本語学習者数を示す。
※文化庁『国内の日本語教育の概要』を参考に作成。
青色がアジア地域出身の日本語学習者数(136,355人)です。
圧倒的です。
日本にいる日本語学習者(160,921人)の8割がアジア地域出身です。
さらに国別に見ると、
TOP10は
①中国:53,534人
②ベトナム:35,839人
③ネパール:9,314人
④ブラジル:6063人
⑤フィリピン:5929人
⑥韓国:5,755人
⑦インドネシア:5,127人
⑧台湾:3,347人
⑨アメリカ:2,445人
⑩タイ:2,431人
最も多いのは中国です。
日本にいる日本語学習者(160,921人)の3割が中国出身です。
前年度(2019年)と比較すると、どの国の日本語学習者も減少しています。
地域別
どの地域の日本語学習者が多いのか。
最も多い地域は関東。次いで、近畿。
『地域別日本語教師数』と同じですね。
以下各地域の内訳です。↓
※円グラフ内の数字は日本語学習者数を示す。
※文化庁『国内の日本語教育の概要』を参考に作成。
橙色が関東(73,580人)です。
日本にいる日本語学習者(160,921人)の4割が関東で日本語を勉強しています。
さらに都道府県別に見ると、
TOP10は
①東京都:44,069人
②大阪府:14,558人
③福岡県:10,875人
④愛知県:9,423人
⑤神奈川県:9,140人
⑥兵庫県:7,671人
⑦埼玉県:7,661人
⑧静岡県:6,264人
⑨千葉県:5,846人
⑩群馬県:3,614人
関東地域の日本語学習者の6割が東京都で日本語を勉強しています。
また、
3位に福岡県がランクインしており、
『地域別日本語教師数』からも鑑みると、
福岡県は日本語学習者が多いが、それに対して教師が少ないことが分かります。
参考資料:文化庁『令和2年度国内の日本語教育の概要』
最後に
令和元年(2019年)の在留外国人数は約293万人。
平成2年(1990年)からの推移を見ると、上昇傾向にありました。
しかし、令和2年(2020年)。
新型コロナウイルスの感染拡大による入国制限等の影響により、約289万人に減少。
前年度より約4万人減少しました。
ただ、ここ近年、
在留資格「特定技能」の創設、
「日本語教育の推進に関する法律」の施行といった
日本語学習者層の多様化、日本語教育環境の整備の動きが見られました。
まだまだ完璧とは言い難いですが、
日本で働きたい、日本で勉強したい外国人のための準備は整いつつあります。
アフターコロナ。
入国制限緩和により、さらなる在留外国人の増加が見込まれます。
今回もご覧いただきありがとうございました。
これからも『日本』と『外国』をテーマにした情報を投稿していきますので、
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