日本の社会問題でもある生産年齢人口の低下。
少子化も進み、外国人人材に頼らざるをえない時代に突入しています。
外国人人材を受け入れるためにさまざまな制度がありますが、
中でも注目されているのが、
日本で人材不足が深刻な12業種に外国人材を受け入れるための枠組みである
特定技能。
平成31年4月よりこの在留資格が施行されました。
今回は
「特定技能」で働いているインドネシア人が
「どのくらいいるのか」
紹介していきます。
在留資格「特定技能」についてはこちらをご覧ください⤵
「特定技能」で働いているインドネシア人
令和3年10月時点で、日本で働いているインドネシア人は5万2810人。
前年同月が5万3395人だったので、わずかに減っています。
若干、上記の統計時の日付とズレますが、
令和4年3月時点で、「特定技能」で働いているインドネシア人は5855人います。
(特定技能第1号の人数です)
ベトナム(4万696人)、フィリピン(6251人)に次いで、3番目に多いです。
前年同月の人数が1921人だったので、大幅に増加しています。
※コロナの影響で規制されていた入国制限が緩和されたことが原因だと思われます。
産業分野別で見てみよう
特定技能14業種の中で、
「どの分野で働いているインドネシア人が多いのか」
調べてみました。
※令和4年4月の政府の閣議決定で「12業種」に再編されることとなりましたが、今回の記事は同年3月の統計を参考にしているので、まだ14業種です。
ランキング形式で見ていきます。
①農業分野 1284人
②介護分野 981人
③飲食料品製造業分野 970人
④産業機械製造業分野 820人
⑤漁業分野 494人
⑥素形材産業分野 492人
⑦建設分野 370人
⑧電気・電子情報関連産業分野 167人
⑨造船・舶用工業分野 140人
⑩ビルクリーニング分野 67人
⑪外食業分野 44人
⑫自動車整備分野 14人
⑬宿泊分野 12人
⑭航空分野 0人
※TOP3は太字。
※〇は順位を示す。
農業分野が1位。背景には、日本の社会問題でもある農業の高齢化や後継者不足があり、日本人の働き手がいないため、外国人の労働力に頼るしかないのが現状。
また、2位の介護分野も人手不足が著しいため、14業種の中で最も受け入れ見込み数が多い分野です。
平成31年4月より特定技能が施行し、日本政府は介護分野だけで5年間で最大6万人の受け入れを目指しています。令和4年3月時点で、介護分野で働いている外国人(特定技能対象国の人数)は7019人にいます。
まだまだ達成にはほど遠いですね。
都道府県別で見てみよう
次に、在留資格「特定技能」で
「どの都道府県で働いているインドネシア人が多いのか」
調べてみました。
トップ10は
①茨城県 726人
②大阪府 401人
③愛知県 376人
④神奈川県 250人
⑤埼玉県 246人
⑥広島県 239人
⑦群馬県 237人
⑧北海道 234人
⑨千葉県 233人
⑩東京都 204人
※TOP3は太字。
※〇は順位を示す。
インドネシア人だけに限定すると、茨城県が1位です。東京が意外に10位。
特定技能対象国全体で見ると、
1位が愛知県、2位が千葉県、3位が埼玉県です。
また、「特定技能」で茨城県で働いている外国人は3580人であり、
インドネシア人(726人)は全体の20.3%を占めています。
日本全国(47都道府県)はこちらの写真をご覧ください!
どうやって働いている?「特定技能」取得ルート
在留資格「特定技能」を取得するには
①日本語試験(日本語能力試験(N4)又は国際交流基金日本語基礎テスト)と技能試験に合格する
※介護分野のみ別途、介護日本語評価試験がある。
②技能実習2号を良好に修了
大まかにこの2つのどちらかです。
インドネシア人の取得ルートは
②の技能実習ルートで働いている人が4274人、①の試験ルートが1490人で、
②の人は全体(5855人)の73%を占めています。
※特定技能対象国全体で見ても、約8割の人が技能実習ルートです。
また、介護分野に限って言えば、EPA介護福祉士候補者は特定技能に移行することも可能です。
実際、インドネシアのEPA介護福祉士候補者から移行した人は87人います。
※今回の記事に記載した特定技能に関する数字は出入国在留管理庁の統計を引用しています。また、令和4年3月時点のデータです。
さいごに
日本とは歴史的に見ても、経済的に見ても関わりが強いインドネシア。
日本語学習者の数は中国に次いで、2番目に多く、
日本に在留している外国人数では7番目に多いです。
(令和3年12月時点)
アフターコロナ。
入国制限も緩和され、世界との行き来が再び活発になりました。
特定技能に限らず、日本で働きたいなと思ってくれるインドネシア人が増えることを願っています。
今回もご覧いただき、ありがとうございました!
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