まず最初に?
不快感を感じる?
犯罪を犯す?
あなたがよく使うその表現、
あなたがよく聞くその表現、
正しいですか。
冒頭に挙げた表現は重複表現です。
同じ意味合いを持つ言葉を二回使っており、適切な使い方ではありません。
今回は、
「日常でついつい使ってしまう重複表現」を紹介していきます。
文章を書くときや人と話すときにきっと役に立ちます!
また、「私も気づかず言っていた」「正しい使い方はこうなのか」などと
皆さんの新たな発見につながってくれたら嬉しいです。
それでは、どうぞ。
第一日目
正しくは
第一日もしくは一日目
「第」と「目」は物事の順序を表す同じ意味の言葉。
✖「第一日目」
まず最初に
正しくは
最初に
「まず」と「最初に」は同じ意味の言葉。
「まず最初に」と言うほうがリズム感が良いので、言ってしまいがちですが、厳密には間違い。
✖「まず最初に」
まだ未定
正しくは
未定
「未定」は「まだ決まっていないこと」「まだ確定していないこと」という意味であり、すでに「まだ」という意味が含まれています。
✖「まだ未定」
およそ10分ほど
正しくは
およそ10分もしくは10分ほど
「およそ」と「ほど」は同じ意味の言葉。
✖「およそ10分ほど」
炎天下のもと
正しくは
炎天下
真夏の焼けるように暑い日のことを「炎天」と言います。
これに「下」を加え「炎天下」とすれば、
「焼けつくような天気のもと」という意味になるので、
わざわざ「のもと」をつける必要はありません。
✖「炎天下のもと」
沿岸沿い
正しくは
沿岸
漢字を見てわかる通り、
「岸に沿った部分」を「沿岸」と言うので、「沿い」をつけるのは不要。
✖「沿岸沿い」
不快感を感じる
正しくは
不快感を抱く
「不快感」は「不愉快に思う気持ち」「快適でない感じ」のこと。
「感じる」と重ねるのは重複表現になります。
ここでは、「抱く」を使うのが適切。
✖「不快感を感じる」
後遺症が残る
正しくは
後遺症が出る
「後遺症」は「病気やけがが治っても残る症状」のことで、すでに「残る」という意味を含んでいます。
ここでは、「出る」を使うのが適切。
✖「後遺症が残る」
加工を加える
正しくは
加工する
「加工」は原料に手を加えて新しいものを作ること。
すでに「加える」という意味を含んでいます。
✖「加工を加える」
火事を鎮火する
正しくは
鎮火する
「鎮火」は火事が消えること。
ですので、わざわざ「火事を」をつける必要はありません。
✖「火事を鎮火する」
被害をこうむる
正しくは
損害をこうむる
「被害」には「損害を受ける(こうむる)」という意味があるので、
「こうむる」をつけると意味が重複してしまいます。
※被害=損害をこうむる
✖「被害をこうむる」
犯罪を犯す
正しくは
罪を犯す
「犯罪」には「罪を犯す」という意味があるので、
「犯す」をつけると意味が重複してしまいます。
※犯罪=罪を犯す
✖「犯罪を犯す」
過半数を超える
正しくは
過半数に達する
「過半数」は全体の半数以上の数のこと。
すでに「半分を超える」という意味があるので、
「を超える」をつけると意味が重複してしまいます。
✖「過半数を超える」
各位殿
正しくは
各位
「各位」は大勢に対して、その一人一人を敬って言う言葉。
「位」にすでに敬意が込められているので、「殿」をつける必要はありません。
✖「各位殿」
従来から
正しくは
従来
「従来」は「以前から今まで」という意味です。
すでに「~から」という意味が含まれているので、「から」をつける必要はありません。
✖「従来から」
捺印を押す
正しくは
捺印する
「印鑑を押す(捺す)」ことを「捺印」と言います。
すでに「押す」という意味が含まれているので、「押す」をつける必要はありません。
✖「捺印を押す」
最後の追い込みをかける
正しくは
追い込みをかける
「追い込み」自体が「最後に一段と力を入れる」という意味ですので、
「最後の」をつける必要はありません。
✖「最後の追い込みをかける」
辞意の意向を表明する
正しくは
辞意を表明する
「辞意」は辞退、辞職したいという気持ちのことであり、
すでに「気持ち」が入っているので、「意向」は必要ありません。
「辞任の意向を表明する」なら適切。
✖「辞意の意向を表明する」
平均アベレージ
正しくは
アベレージ
「アベレージ」は「平均」という意味。
重複するので「平均アベレージ」とは言いません。
✖「平均アベレージ」
思いがけないハプニング
正しくは
ハプニング
「ハプニング」とは「思いがけない出来事」のこと。
重複するので「思いがけないハプニング」とは言いません。
✖「思いがけないハプニング」
みなさんどうでしたか。
ついつい使ってしまっていた表現はありましたか。
今回は20個の重複表現を紹介しました。
日本語の語彙は数えきれないほどあります。まだまだたくさん重複表現もあるはず。
今回挙げた表現の正しい使い方を覚えておくと、
ブログやビジネスメールなど何か文章を書くときや
友だちと雑談するとき、上司や取引先と話すときなど
いつか役に立つ日がきっと来るはずです。
今回もご覧いただきありがとうございました。
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