より便利になったが、
人間関係は軽薄している。
昭和、平成、そして令和。
時代が進むにつれて、日本はもちろん世界中でテクノロジーが発達し、私たちの生活はより便利になりました。
スマートフォンやAIなどは、いまや身近な存在です。
一方で、自殺する人たち、離婚する人たち、仕事をすぐに辞める人たち。
昔に比べてどうでしょうか。
便利になったとは言え、人間関係が原因でこのような出来事は増えています。
すべての人が人間関係が原因でこのようなことが起こっているとは言い難いですが、日々目にするニュースを見る限り、主軸となる原因と言えるでしょう。
・SNSであの人はあんなに楽しそう。でも私は、、
・なんであの人ばかり褒められるんだろう。私は要領が悪いのかな、、
・あんな上司のもとで働きたくない。でも辞めたところで、、
・自分の考えが絶対正しい。あの人が絶対間違っている。
・頑張っているけど、、、もうなんだか分からない。
いろんな人がいて、いろんな生き方がある。
そして、
いろんな「苦しみ・悩み」もあると思います。
※以下「苦しみ」のみ表記
「苦しみ」はなくすことができるのか?
哲学的な問いですね。
結論から言うと、
「苦しみ」はなくすことができます。
しかし、人によっては「苦しみ」をずっと持ち続けます。
もっと言うと、これからもたくさんの「苦しみ」が生じてくると思います。
注意してほしいのが、
「苦しみ」自体をすぐになくそうとするのではなく
「苦しみ」に対する「とらえ方」を変えるということ。
では、さっそく見ていきましょう。
人間には、どんな「苦しみ」があるのか?
まず、この世に「生」を受けたからには、どんな「苦しみ」が待っているのか。
仏教の開祖、ブッダの教えを見てみましょう。
比丘等よ、苦聖諦とは、此の如し、
生は苦なり、老は苦なり、病は苦なり、死は苦なり、
怨憎するものに曾ふは苦なり、愛するものと別離するは苦なり、求めて得ざるは苦なり、
略説するに五蘊取蘊は苦なり。※初転法輪(Wikipedia)より引用
現代語訳と一緒に見ていきます。
①生は苦なり
生きることは苦しみなのだ。
②老は苦なり
老いることは苦しみなのだ。
③病は苦なり
病気になることは苦しみなのだ。
④死は苦なり
死ぬことは苦しみなのだ。
⑤怨憎するものに曾ふは苦なり
いやな人たちと出会うことは苦しみなのだ。
⑥愛するものと別離するは苦なり
愛する人と別れることは苦しみなのだ。
⑦求めて得ざるは苦なり
求めているものが得られないことは苦しみなのだ。
⑧略説するに五蘊取蘊は苦なり
要するに人間の心(五蘊)を持ち続けることは苦しみなのだ。
ブッダ曰く、
人間には、8つの苦しみがあります。
1番から、「生きることは苦しみなのだ」とブッダは説いています。
もうこの世に生まれた瞬間から、「苦しむ」ことは逃れられないようです。
そして、8番の「人間の心(五蘊)を持ち続けることは苦しみなのだ」は、
おそらく、現代を生きる私たちにとっては一番の苦しみかもしれません。
五蘊(ごうん)とはなにか?
【五蘊(ごうん)】
〔「蘊」は梵語 skandha の訳で、集まったものの意〕 諸存在を構成する物質的・精神的五つの要素。色(しき)・受・想・行・識の総称。色は物質的存在、受は事物を感受する心の働き、想は事物を思い描く心の働き、行は心の意志的働き、識は識別・判断する心の働き。
※大辞林より
人間の肉体と精神を(人間の存在)を作っている5つの要素。
つまり、この5つの要素を持っていることがすでに苦しみであるとブッダは言いたいのだと思います。
ちょっと哲学っぽくなってきましたね。
「五蘊」=五つの心の働き=人間の心
と私なりに訳して見ました。
五蘊取蘊は苦なり。
「人間の心を持ち続けることは苦しみなのだ」
では、
なぜ人間の心を持ち続けることで苦しむのか。悩むのか。
さらに深堀りしていきましょう。
マズローの欲求五段階説をもとに、苦しみ・悩みの原因を探る
人間の心理を考えたときに、
「人間は自己実現に向かって生きている(自己実現理論)」と
アメリカの心理学者であるマズローさんは説いています。
ただ、その自己実現欲求に至るまでに段階があり、
その段階を1つ1つ満たしていかないと自己実現欲求に進めません。
①生理的欲求
「食欲」「睡眠欲」「性欲」など、人間の基本的な欲求です。
②安全欲求
病気になりたくない。
危ない目に遭いたくない。など
身の「安全」を求めます。
③社会的欲求
家族や友達、恋人、職場の人たちと一緒にいたい。
孤独を嫌い、「集団への帰属」を求めます。
④承認欲求
他社から認められたい。尊敬されたい。
そのうえで、自分は優れた存在でありたい。
自分を含む「人」「社会」などからの「承認」「尊敬」を求めます。
⑤自己実現欲求
あるべき自分になりたい。
「自分らしく生きる」ことを求めます。
ただ、
これらの欲求こそが、
苦しみの原因を生み出していると考えます。
「人間の心を持ち続けること」とは
すなわち
「欲求があること」
「~したい」「~されたい」
という気持ちがあること。
ブッダが8番目に言った、
五蘊取蘊は苦なり。
「人間の心を持ち続けることは苦しみである」ということ。
なぜ「人間の心を持ち続ける」と苦しむのか?
それは「欲求があるから」です。
記事の冒頭で述べた人間関係の「苦しみ」は
主に社会的欲求、承認欲求が原因なのではないでしょうか。
「苦しみ」「悩み」を○○する!
はい。ようやく今日のテーマにたどりつきました。
「苦しみ」「悩み」をなくすには、どうすればいいのか?
ブッダ曰く、
まず、「苦しみ」を理解することです。
「私は今、苦しんでいる(悩んでいる)」
「私は、悩みを持っている」
このように認めます。
しかし、これは「つらい現実を受け入れろ」ということではありません。
「ある」ものは「ある」と自分自身で理解するということです。
ブッダは、すぐに「悩み」をなくそうと解決策を探したりしません。
何度も言います。
まずは「悩みがある」と理解する
「自分は悩みがある」と理解した後に、次のステップに進めます。
次のステップは、「悩みの正体を知る」です。
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