なんだか雨が降りそうだ。
前回は『伝聞』として使われる「そうだ」を紹介しましたが、
今回は『様態』として使われる「そうだ」を紹介します。
伝聞『そうだ』についてはこちらをご覧ください↓
そもそも、「様態」とは?
「様態」とは人や物のあり方や行動の様子のこと。
様態の用法を持つ「そうだ」は
①観察対象の外観から受ける「感じ」を表す場合と、
②その事態が起こる「可能性」を表す場合があります。
様態の表現『そうだ』
①この本はおもしろそうだ。
この文は、話し手が「この本」が見せる様子・様相から自分の「感じ」を述べたものです。
●田中さんはいつもひまそうだ。
●このパンはおいしそうだ。
②今晩にも台風が来そうだ。
この文は、話し手が「台風が来る」という事態が起こる可能性があると推察したものです。
●3限は山田先生の物理の講義か。寝そうだな。
●今日中に英語の宿題が終わりそうだ。
冒頭に述べた「なんだか雨が降りそうだ」も
話し手が「雨が降る可能性がある」と推察しています。
『そうだ』の否定
『そうだ(様態)』の否定形について見てみましょう!
1.形容詞
①このケーキはおいしくなさそうだ。
②このケーキはおいしそうじゃない(ではない)。
「なさそうだ」と「そうじゃない」の二つの言い方ができます。
この二つの否定表現はほぼ同じ意味です。
ただ、「なさそうだ」は話し手が対象の様子・様相を見て、直接的に判断をするのに対して、
「そうじゃない」は誰かが言ったことに対して、それを打ち消す意味合いがあります。
例えば、
①(話し手が目の前にあるケーキを見て)このケーキはおいしくなさそうだな。
②A:ねぇ、このケーキ見て。おいしそうだよ!(お店のメニューを見ながら)
B:ええ~。ぜんぜんおいしそうじゃないよ!
2.動詞
①雨が降らな(さ)そうだ。
②雨が降りそうにもない。
形容詞の場合と同じで、
意味用法はほぼ同じですが、「な(さ)そうだ」は話し手が対象の様子・様相を見て、直接的に判断をするのに対して、
「そうにもない」は誰かが言ったことに対して、それを打ち消す意味合いがあります。
例えば、
①(ギラギラと輝いている太陽を見て)降らなさそうだな。
②A:今日、大雨が降るらしいよ!
B:えっ!こんなに雲一つないのに!?ぜんぜん降りそうにないよ。
「~な(さ)そうだ」は、「降らなそうだ」とも「降らなさそうだ」とも言うことができますが、現代では「さ」を入れる傾向が強くなっているようです!
また、「~そうにもない」も「降りそうにない」「降りそうもない」「降りそうにもない」といったように「に」と「も」のどちらかを省略したり、もしくは、「に」と「も」どちらもいれて言うことができます!
まとめ