「ご飯を食べて出かけます」
「ご飯を食べてから出かけます」
「ご飯を食べたあと(で)出かけます」
「ご飯を食べたら出かけます」
上にある表現はどれも、ある事柄・行為が起こったのちに、別の事柄・行為が起こることを表します。
これらの表現はどれも家族や友達、会社の人と話すときにもよく使いますし、メールのやりとりなど書き言葉でもよく使います。
では、、、
「~て」「~てから」「~あとで」「~たら」
いったい何が違うの???
比較しながら見ていきましょう!
①継起を表す「て」
継起とは動作が続いて起こるという意味です。
2つ以上の行為を続けて行うときによく使われます。その行為の順に並べて言います。
本屋へ行って日本語の辞書を買った。
歯を磨いて寝なさい。
朝ジョギングして、シャワーを浴びて、会社へ行きます。
2つ以上といっても、「~て~て~て~て」といくつもつなげて文を作ろうとすると不自然になります。実際には、上記の例文のように1つか2つの場合が多いです。
②「てから」
宿題をしてから、テレビを見なさい!
よくお母さんが子供に言いますよね。
「~て」と同じく「~てから」の行為が後文(テレビを見る)より早く起こることを表しています。
しかし、「てから」は後文(テレビを見る)の行為は、前文(宿題をする)の行為の「あと」であり、「それ以前ではない」ことを特に表したい時に使われます。
上の例文を使うと、
「テレビを見る」のは宿題をする前ではない。宿題をしてはじめてテレビを見る。
「てから」はこのようなことに重点を置いています。
て:一つの事柄・行為が終わって、また終わらないうちに、引き続いて次の事柄・行為が起こるときに使う
てから:二つの事柄・行為間にはっきりとした前後関係が存在し、その関係をはっきり示したい時に使う
逆に言えば、その行為は「前か後なのか」ということに着目する必要がなければ、「~て」を使うのが適当です。
パーティーが終わって、彼は帰りました。〇
パーティーが終わってから、彼は帰りました。△
ここで「てから」を使うと、「帰る」のはパーティーが終わる前ではなく、「パーティーが終わってからだ!」ということを強調する文になります。
③あと(で)
仕事が終わったあとで、ジョギングをする。
「~て」「~てから」と同じく「~たあとで」の行為が後文(ジョギングをする)より早く起こることを表します。
「~たあとで」と「~てから」は置き換え可能な場合が多いです。
仕事が終わってから、ジョギングをする。〇
ただ、ニュアンスが異なります。
「~あとで~」は「仕事が終わる」と「ジョギングをする」の前後関係を客観的に述べているのに対し、「~てから~」は「仕事が終わる」という行為に重点を置き、仕事が終わるまではジョギングをしないというニュアンスを持ちます。
また、置き換えると不自然になる場合もあります。
例えば、
歯を磨いてから、寝なさい。
という文です。
「歯を磨く」という行為は「寝る」ための準備的動作であるため、前後関係がはっきりしています。「寝た後に歯を磨く」ことはありません。
このように前文と後文の前後関係が確定していて取り立てていう必要がないときに「あとで」を使うと不自然になります。
歯を磨いたあとで、寝なさい。△
④確定条件「たら」
前文がなんらかの要因・きっかけとなって後文を制約する文を条件文と呼びます。
条件文には、
「宝くじが当たったら、車を買ってやるよ。」のような仮定性の強い仮定条件と「仕事が終わったら、電話します。」のような確定性の強い確定条件があります。
ここでは、他の前後関係を表す表現と混同しやすい確定条件の「たら」について説明します。
授業が終わったら、職員室に来てください。
「たら」は前文(授業が終わる)の行為がきっかけとなって後文(職員室に来る)の行為が生じることを表します。
他の表現と違い、前文と後文の時間的な前後関係をはっきりさせたいといった意図はありません。つまり「時」に注目していないということです。
授業が終わってから、職員室に来てください。
「てから」を使う場合は「職員室に来るのは、授業が終わる前かあとか」ということをはっきり述べたいときに使います。
まとめ
「ご飯を食べて出かけます」
はっきりとした時間的な前後関係というよりは継起。
連続性が強い。
「ご飯を食べてから出かけます」
「出かける」のは「ご飯を食べてからだ!」
「ご飯を食べたあと(で)出かけます」
客観的な前後関係。
「ご飯を食べたら出かけます」
「ご飯を食べる」ことが「出かける」条件。
話し言葉でよく使われるのは、「てから」と「たら」だと思います。