「すみません。電車が動かなくて。飲み会に多少遅れるかもしれません。」
「症状も多少落ち着きましたね。もう外出しても結構ですよ。」
日常生活で意外に耳にすることば「多少」。
「多い」と「少ない」
正反対の意味を持つ漢字がどちらも含まれています。
この「多少」という熟語は
「多い」ことを表すのか?
それとも「少ない」ことを表すのか?
また、使い方によって意味が変わるのか?
今回は、そんな「多少」について紹介します!
多少の意義
【名詞】
①数量の多いことと少ないこと。多いか少ないか。
②〔「少」は助字〕 多いこと。はなはだしいこと。
【副詞】
その数量・程度がわずかであるさま。いくらか。すこし。
※大辞林第三版より引用
多少 (名詞)
まず、名詞として使われる多少を見ていきましょう。
● 多少にかかわらず、ご注文に応じます。
●人命がかかってるんだ。金銭の多少を問わない。
ここでの「多少」は
数量が多いこと少ないこと、多いか少ないかの程度
という意味を持ちます。
ただ、
②の語義にもあるように、昔は「多いこと」という意味で使われていました。
例えば、「今昔物語集」に「多少の男子」という言葉が出てきますが、
ここでは「多くの男子」という意味です。
多少 (副詞)
次に、副詞の多少を見ていきます。
●彼には多少難点がある。
●多少多めに払ってよ。
ここでの「多少」は
数量がわずかであるさま
程度がわずかであるさま
という意味です。
つまり、少しです。
●彼には多少難点がある。
→少し難点がある。
●多少(お金を)多めに払ってよ。
→お金を少し多めに払う。
という意味です。
最初に記載した例文も見てみましょう。
「すみません。電車が動かなくて。飲み会に多少遅れるかもしれません。」
→少し遅れる
「症状も多少落ち着きましたね。もう外出しても結構ですよ。」
→少し落ち着いた
副詞としての多少は、
その数量・程度ははっきりしないけれど、少ないこと、多くはないことという意味を持ちます。
同じような意味を持つ「若干」
「若干(じゃっかん)」も
数ははっきりしないが、あまり多くはないこと
を表す言葉で
「多少」と同じような意味を持ちます。
「多少」とどこが違うかと言うと、
若干は、書き言葉で使われる表現で話し言葉で使うと若干硬いです。
意味は似ていても、日常生活の会話では「多少」を使うのがいいでしょう。
まとめ
●多少 (名詞)
多いことと少ないこと
●多少 (副詞)
少ないこと
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