日本だけではなく世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス。
その猛威は教育機関にも影響を及ぼしました。
『オンライン授業』
『リモート授業』
このような言葉をよく新聞やテレビで目にすることが多くなりました。
2020年4月に日本政府は緊急事態宣言を発令し、それに伴い、
大学などの教育機関では
パソコンやタブレットを使い
インターネットを介して
画面越しに授業をする
オンライン授業(遠隔授業)を導入し始めました。
教育のあり方が変わる
『オンライン授業』は
アフターコロナもどんどん推進されていくことでしょう。
『日本語教育』もオンラインで!
最近、日本語の授業をオンラインでする機会をいただきました。
私自身、はじめての経験で新しい発見がたくさんありました。
コロナウイルスにより、
日本に渡航できなくなった留学生、外国人実習生、外国人労働者の方々。
彼らのためにすでに日本語のオンライン授業を導入している日本語学校、(現地の)送り出し機関、日本の受け入れ機関などが多々あります。
オンラインで行えば、
生徒が日本にいなくてもできる!
密集しなくてもできる!
とても画期的だ!!!
文明の進歩!!!
と叫びたくなるかもしれません!(笑)
しかし、今回は
オンライン授業のデメリット
に重点を置いて話していきたいと思います!
①機材トラブル
対面授業と大いに比較できる問題点です。
・ネットが急に切断
・動画が静止する
・音声が小さくなる、大きくなる、遅れて聞こえる
・ソフトウェア(Zoom,Skypeなど)のアップデートのため、扱い方が変わり、操作方法が分からない。
特にフィリピンやインドネシアといった東南アジア諸国は日本よりネット環境が優れているとは言えないので、通信速度が遅くなり、上記にあげたような問題が生じる場合が多々あります。学習者がいる地域のネット環境を把握しておくことも重要になってきますね!
②学習者の授業態度を把握しにくい
オンライン授業は画面越しということもあって、その画面の枠内に収まる範囲の学習者の様子しか見ることができません。
例えば、
教科書を見ていると思いきやスマホや漫画を見ているかもしれません。
また、学習者の人数が増えれば増えるほど授業態度の把握は難しくなります。
対面授業であれば、
学習者の身体全体を見ることが可能ですので、
学習者がしっかり授業を受けているか否か判断しやすいです。
③教師の指示、リアクションが伝わりにくい
教師と学習者が同じ空間にいないということで、
学習者にとって
「先生が私に何を求めているのか」が
分かりにくいかもしれません。
「見てください!」「言ってください!」
と言うにしても
「誰が」「どこを(何を)」をということを明確に指示する必要があります。
見るのは「教科書」なのか、「先生」なのか
言うのは「私だけ」なのか、「みんな」なのか
もちろん学習者に指示をしっかりすることは対面授業でも重要ですが、
オンラインでは①で挙げたような問題もあるので、より明確にする必要があります。
「教師のリアクション(反応)」も同じことが言えます。
やはり、マイク越しということで、声のボリューム、トーンも若干変わってきます。
また、頑張ってボディランゲージ(身振り手振り)で伝えようとしても限られた画面枠内でしか見せることができません。
教師のうなずきも場合によっては「怒っている」ように捉えられる可能性もあります。
対面授業よりオーバーリアクションを心掛ける必要があります。
④学習者がすぐに相談できない
オンライン授業では、一人一人違った空間にいることが多いと思います。
ですので、学習者に分からないこと、尋ねたいことがあった場合、すぐに聞くことが難しいです。
「すぐに」というところが重要です!
対面授業であれば、分からないこと、聞きたいことがあった場合、先生や周りの友達にすぐに聞くことができます。
しかし、オンラインはどうでしょうか。
物理的に聞くことは可能です。自分が発話すればいいだけですので。
ただ、心理的な問題です。
自分が発話することで、授業の進行がストップしてしまう。
こう考える学習者は多いのではないでしょうか。
周りがミュートオフにしていない限り、自分の発話は全員に聞こえるので、
教師とのやりとりはまだいいですが、友達(他の学習者)には話しにくいと思います。些細なことも聞くことができません。
あとに学習者からの質問を受ける時間など設けることはできますが、「すぐに」はできません。
⑤ピアレッシャーが弱い
これは「教育」においてとても重要なことです。
ピアプレッシャーとは仲間からの圧力のこと。
例えば、授業を受けているときに
「あいつが真剣に授業聞いているからおれも頑張らないと!」
「寝ているのがばれたら先生にチクられるかもしれない!」
と思うことがありますよね!
対面授業ではこのような周りの価値観に合わせようとする心理的な圧力が生じやすいです。
しかし、オンライン授業は1人で受けることが多いので、
周りから自分への「程よい緊張感」がなくなり、
コミュニティのつながりが薄れ、
学習意欲(モチベーション)が低下する可能性があります。
まとめ
はい。
今回は「オンライン授業のデメリットについて」お伝えしました。
表面的にみると、
「オンライン授業」と聞けば、
利便性があるように思われます。
ただ、
今回紹介したデメリットが存在することから、
「対面授業をするに越したことはない!」
と思います!
※私の主観です。
オンライン授業を否定するわけではありません。
現にコロナ禍において非常に貢献しているので、これからも推進していくべきだと思います。
ただ、オンライン授業をメインにするのではなく、対面授業のサポート的役割で使われるのが望ましいと言うのが個人的な意見です!
今回の記事が教育関係者の方はもちろん、多くの人の参考になれば幸いです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました!