「よろしくお願いします」
ビジネス場面ではもちろん、普段の生活の中でもよく耳にする言葉です。
当たり前のように使っているこの表現ですが、
そもそも「よろしく」ってどういう意味なのか。
私たちはいつも何を「お願い」しているのか。
今回は、「よろしく」について紹介します。
●よろしく
【副】
(形容詞「よろし」の連用形から)
①適当に。うまい具合に。
②相手に便宜をはからってもらうときなどに、適切な配慮を願ったり期待したりして言う語。また、そういう気持ちをこめて言う挨拶語あいさつご。
③[漢文訓読に由来する語](下に「べし」を伴って)当然。ぜひとも。
④他の語句に付いて、その内容を受け、あたかも…らしく、の意を表す。
※大辞林第三版
語義②はまさしく「よろしくお願いします」のことを言っています。
普段から意識せずに使っているので、
というより
意識せずとも使えているので、
私たち日本人はこういうことをわざわざ調べようとは思いません。
ただ、改めてこうやって辞書などで調べてみると面白いですね。
●よろし
【形】
(「よい」よりもやや改まった言い方)
①「よい」の丁寧な、または改まった言い方。結構である。好ましい。
②許容できる。…してもよい。かまわない。さしつかえない。相手に許可を与えるような、ややいばった言い方。
③ちょうどよい。適当である。 「御都合の-・いときお越し下さい」
④終止形を感動詞的に用いて、「承知した」「引き受けた」などの意を表す。
※大辞林第三版
語義①
・今の答え方はなかなかよろしい
語義②
・帰ってよろしい
語義③
ご都合のよろしい時にお越しください
・語義④
よろしい、お任せください
語義②に焦点を当てます。
許容できる
「よろし」という言葉には、好ましいといった意味以外にも
かまわない、さしつかえないといった意味も含まれています。
何か物事を頼まれた時に、
それが「許容範囲」であるときに使います。
つまり、相手に許可を与える、承諾を与える言葉です。
さらにそこから、許可を求める、承諾を求める時にも使われるようになり、
それから「よろしくお願いします」という表現がうまれました。
掘り下げて言うと、
「あなたの承諾」をお願いしますという感じです。
※どうぞよろしくお願いしますの「どうぞ」
せっかくなので「どうぞ」についても紹介します。
●どうぞ
【副】
(副詞「どう」に助詞「ぞ」の付いたもの)
①丁寧にものを頼むとき、また自分の願いをかなえて欲しいと祈るときに用いる語。なにとぞ。どうか。
②相手の動作を促したり、物を勧めたりするときに用いる語。
③相手の依頼や希望をかなえる気持ちを表す。
どうぞよろしくお願いしますの「どうぞ」は語義①の意味です。
・どうぞよろしくお願いします
・どうぞお許しください
語義②は、電車でお年寄りや子供を抱えた母親などに席を譲るときの「どうぞ」です。
・どうぞお座りください。
語義③は、許可を与えるときの「どうぞ」です。
・この本借りてもいいですか。
-どうぞ。
まとめ
よろしくお願いしますの「よろしく」は
形容詞「よろし」の連用形。
「許容できる」という意味を持つ。
転じて、
許可・承諾を求めるときにも使われるようになり、
それが、
「よろしくお願いします」
今回もご覧いただき、ありがとうございました。