となりのたしまさん。

日本人なのに日本語を勉強中。20代青年による日本紹介サイト。外国人に「日本のすばらしさ」を伝えるべく「日本」ついてはもちろん、海外の情報もたくさんアップしていきます。「少子高齢化」がすすんでいる日本。外国からの労働力がますます必要になってきています。外国の方々に「日本を好きになってもらえるように」。そんなことを意識して、ぼちぼち更新していきます。今年の目標も、「変わらないこと」。そのために「変わり続けること」。みなさん楽しみましょう、今回の人生。

となりのたしまさん。

【上司に「了解しました」は失礼!?】知っておくと役に立つ日本語の使い分け。「わかりました」「了解しました」「承知しました」

「わかりました」

「了解しました」

「承知しました」

 

(上司からメール)

「田中くん、明日7時に出勤できる?」

「了解しました!」

 

普段の生活の中でよくみかけるシチュエーションです。

「了解しました」は相手の依頼や申し出を受け入れる時に使う表現です。

似たような表現で、

「わかりました」

「承知しました」

などもあります。

 

返事をするときに、

「わかりました」は他のに比べて軽すぎる気がするし、

「承知しました」は硬すぎる気がする。

やっぱり「了解しました」が一番使いやすい!

 

こう思われる方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。

 

今回は、このような表現について紹介していきます。

 

f:id:yutonsmaile:20200512143052p:plain

①わかりました

●分かる(解る、判る)


物事の意味・価値などが理解できる。 
②はっきりしなかった物事が明らかになる。知れる。 
③相手の事情などに理解・同情を示す。 
④離れる。分かれる。

※大辞林第三版

 

・意味が分かる(語義①)

・真犯人が分かる(語義②)

 

文法的にみると「分かりました」は丁寧語です。

尊敬語や謙譲語ではありません。

よって、上司や取引先などの目上の人に使うのはふさわしくないです。

 

②了解しました

●了解
①事情を思いやって納得すること。理解すること。のみこむこと。了承。領解。領会。 
②無線などの通信で、通信内容を受け取ったことを表す語。
③〔ドイツ Verstehen〕 ディルタイの用語。文化を生の表現とみて、その意味を自己移入・追体験などによって共感的にとらえること。理解。

※大辞林第三版

 

・了解できない(語義①)

・事情を了解する(語義②)

 

「分かりました」に比べると少し改まった言葉です。

「了解しました」は相手の事情を分かったうえで認めるということなので、

目上の人が部下などに使うのが正しい使い方です。

 

自分が自分よりも目上の人に使うのは間違った使い方です。

(上司からメール)

「田中くん、明日7時に出勤できる?」

「了解しました!」✖

 

目上の人に使ってしまうと、

「なんで目下のお前に認めてもらわないといけないの?」

言い方は悪いですが、イメージとしてこんな感じです。

 

〇「了解」と「理解」の違い

●理解
物事のしくみや状況、また、その意味するところなどを論理によって判断しわかること。納得すること。のみこむこと。 
②相手の立場や気持ちをくみとること。 
③道理。わけ。また、道理を説いて聞かせること。 
④ 「了解」に同じ。 

※大辞林第三版

 

・内容を正しく理解する(語義①)

・理解力(語義①)

 

まず、「了解」の方が話し言葉でよく使います。

私も友達とのメールのやりとりで「了解!」とよく使います。

最近の若い人たちの中には「りょ!」と使う人もいるようです。

理解しました」とはあまり聞いたことがありません。

 

意味を比べてみましょう。

ほとんど似ていますね。

「了解」は相手の事情を分かったうえで「認める」「承認する」

「理解」は物事の「意味」や「内容」を「論理的に判断して分かる」

という意味です。

つまり、2つの違いを言うならば、

物事に対して自分が同意しているか、どうかです。

了解」のほうが「同意している」という意味合いが強いです。

 

・あなたの言っていることは理解しました

と言えば、

「論理的に分かった(理解した)けれど同意していない(了解していない)」という意味合いを言外に含むと考えられます。

 

いや、日本語って難しい。。。

 

③承知しました

・承知
①知っていること。わかっていること。 
聞き入れること。承諾すること。 
③許すこと。多く否定の形で「許さない」「勘弁しない」の意を表す。 

※大辞林第三版

 

・前回の件は承知できない(語義②)

 

意味をみれば「分かる」「了解」と似ています。

ただ、文字を見たら分かるように「承知」の「承」には「承る」という意味合いがあります。

「承る」は「聞く」「受ける」などの謙譲語です。

 

・承る
①「聞く」の謙譲語。
㋐(目上の人の言葉を)つつしんで聞く。拝聴する。
㋑(目上の人の様子を)伝え聞く。
②「引き受ける」「承諾する」の謙譲語。(目上の人の命令や頼みを)引き受ける。 
③「受ける」の謙譲語。お受けする。いただく。 

※大辞林第三版

 

はい、やっと目上の人に対して使うことのできる表現がでてきました。

 

(上司からメール)

「田中くん、明日7時に出勤できる?」

承知しました!」〇

 

へりくだった表現ですので目上の人に使う表現として適しています。

 

〇「かしまりました」も使える

「承知しました」と同じように

目上の人に対して「かしこまりました」も使うことができます。

 

●かしこまる(畏まる)


㋐相手の威厳などを恐れて、つつしんだ態度をとる。
㋑正座する。
(目上の人の言葉を)つつしんで承る。(依頼・指示などを)承諾する。 
③お礼やおわびを言う。
④謹慎する。

※大辞林第三版

 

目上の人からの主張、申し出を受け入れるという意味合いを持ちます。

「承知しました」よりも「かしこまりました」の方がより改まった表現です。

なので、「かしこまりました」は仲のいい先輩や距離の近い上司などに使うと、違和感を与えることもあるので、

この人には

「使うべきか」「使わないべきか」

距離感を意識して使うことをおすすめします。

 

まとめ

・上司や取引先などに目上の人に使う場合

「承知しました」

「かしこまりました」

・目上の人が部下や後輩などに使う場合

「了解しました」

・友人や同僚などに使う場合

「了解しました」

「分かりました」

 

場に応じて使い分けましょう。