ペンで書いたほうがいい。
ペンで書いてもいい。
ペンで書けばいい。
何かを勧めるとき、何かを助言するとき、忠告するとき、
などこのような表現を使いますね。
しかし、意味や使い方が似ているので、
日本に来た外国人はよく間違えるそうです。
私たち日本人は普段の生活で何気なくこれらの表現を使い分けていますが、
●どんな違いがあるの?
●どれがどういう場面で使う?
いざ、表現の意味や使い方を聞かれると、戸惑う方もいると思います。
今回は
~たほうがいい
~てもいい
~ばいい
の意味用法についてお伝えしていきます!
~たほうがいい
今日は天気が悪いですね。
傘を持っていったほうがいいですよ。
『~たほうがいい』はある行為をすることが望ましいことを述べ、
話し手が聞き手に対して勧めや忠告(助言)をする表現です。
●ペンで書いたほうがいいですよ。
ただ、目上の人(先生、上司、取引先の人、自分より年上の人など)に忠告をすることは失礼になります。
●課長、事前に連絡したほうがいいですよ。✖
一方で、目上の人に忠告(助言)を求めるときはよく使います。
●課長、事前に連絡したほうがいいでしょうか?
ただ、「~たほうがいい?」と忠告(助言)を求める場合、疑問詞と一緒には使いません。
●課長、いつ連絡したほうがいいでしょうか?✖
●彼はプライドが高いんだよな。どんなふうに叱ったほうがいいかなぁ。✖
正しくは、
●課長、いつ連絡すれば(連絡したら)いいでしょうか?〇
●彼はプライドが高いんだよな。どんなふうに叱れば(叱ったら)いいかなぁ。〇
この場合は『~ばいい(~たらいい)』を使います。
~ないほうがいい
『~たほうがいい』の否定で『~ないほうがいい』という形もあります。
これはある行為をしないことが望ましいことを述べる表現です。
例えば、一日にすごい量のタバコを吸う人に、
●吸わないほうがいいですよ。
「吸う」と「吸わない」を比べて、「吸わない」ことが「いい」と述べています。
「吸わないでください」といったはっきり否定する表現に比べて、やさしく遠回しに言うことができます。
~てもいい
もう着替えたから、入ってもいいよ。
『~てもいい』はその行為が許可されるものであることを述べ、
話し手が聞き手に許可を与える表現になります。
●ペンで書いてもいいですよ。
『~たほうがいい』と同じく、目上の人(先生、上司、取引先の人、自分より年上の人など)に許可を与えることは失礼になります。
●課長、お帰りになってもいいですよ。✖
一方で、目上の人に許可を求めるときはよく使います。
●課長、窓を開けてもいいでしょうか?
~なくてもいい
『~てもいい』の否定で『~なくてもいい』という形もあります。
これはその行為をしないことが許可(容認)されることを表します。
例えば、パーティに参加するときに、
●フォーマルな恰好であれば、スーツを着て行かなくてもいいですよ。
「スーツを着て行く必要がない」ことを表します。
また場面によっては、
上の例文のように「無理に着て行く必要はない」
つまり「どちらでもいい」という意味になります。
~ばいい
スマホを買い替えるなら、山田くんに聞けばいいですよ。
詳しいですから。
『~ばいい』は、話し手が聞き手に対して勧めや助言をする表現です。
●ペンで書けばいいよ。
『~たほうがいい』『~てもいい』と同じく、目上の人(先生、上司、取引先の人、自分より年上の人など)に勧める、助言することは失礼になります。
●課長、この席に座ればいいですよ。✖
一方で、目上の人に助言を求めるときはよく使います。
●課長、どこに座ればいいでしょうか?
また、『~ばいい』と同じ意味で、聞き手の今の状態を聞いて、勧めたり、助言したりする表現として『~たらいい』もあります。
●ペンで書いたらいいよ。
●ここに座ったらいいよ。
※『~ばいい』と『~たほうがいい』は使い方において似ている点があるので、注意する必要があります。
A:私のスマホ、もう古いんですよね。反応も遅いし。買い替えようか迷ってます。
B:①もし、買い替えるなら、山田くんに聞けばいいですよ。詳しいですから。
B:②もし、買い替えるなら、山田くんに聞いたほうがいいですよ。詳しいですから。
①は単に自分の意見を提案しているだけですが、
②は忠告するという意味合いもあるので、やや押しつけている感じがあります。
ですので、①は②に比べると柔らかい印象を与えます。
まとめ
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