「いい迷惑」
コロナでほとんどお客さんが来ません。。。
まったくいい迷惑ですよ。
自分が望んでないのに何か悪いことを被ったときによくこの言葉を使います。
「いい迷惑」
なぜ「迷惑」は悪いものなのに「いい」をつけるのか?
今回はこの表現について紹介します。
●迷惑
①人のしたことで不快になったり困ったりする・こと(さま)。
②どうしてよいか迷うこと。
③困ること。
※大辞林第三版
・いい迷惑
「いい」は反語的表現で意味を強める〕
自分には関係ないことで迷惑をうけるさま。本当に迷惑だ。
※大辞林第三版
せっかくの繁盛期なのにコロナのせいで客がこない。まったくいい迷惑だ。
ここでの「いい」は反語的表現で、自分の気持ちや意見を「強く主張」するために使います。
迷惑とはは「不快になったり困ったりすること」なので本来「悪いもの」ですが、
あえて反対の意味を持つ「いい」を使うことで、「とても悪い」「とてもひどい」といった意味合いを強めます。上の例で言えば「とても迷惑である」ということを表します。
「いい迷惑」の他にも、
「いいざまだ」
「いい恥さらしだ」
「いい御身分だ」
「いい年をして」
など相手を非難するときや皮肉を言うときに使います。
また、「いい」以外にも反語的表現の例として「上等」があります。
・上等
①上の等級であること。また、そのもの。
②品質・状態などがすぐれている・こと(さま)。
※大辞林第三版
・喧嘩上等。
・左遷だってさ。上等じゃないか。
喧嘩も左遷も本来すぐれたものでも満足するものでもありません。
しかし、ここであえて「上等」を使うことによって、「向こう見ずに飛びつく」「それがどうしたと居直る」意味合いを強めています。
こういった反語的表現は、日本語だけではなく英語にもあります。
例えば、本来「素晴らしい」という意味で使う「great」はあえて全然素晴らしいと思ってない時に使うことで、相手に嫌な印象を与えます。
また、「元気です」と答えるときによく使う「fine」。
これもあえてうんざりしたときに使うことで「もう結構だ」といった意味合いを持ちます。
言葉って面白いですね!
まとめ
「いい迷惑」
ここでの「いい」は反語的表現。
あえて反対の意味を持つ言葉を付け加えることで自分の気持ちや意見を「強く主張」している。