日本に日本語教師ってどのぐらいいるの？ (令和4年時点)
令和4年(2022年)11月1日時点で、
日本にいる日本語教師は44,030人です。
前年度(2021年)は39,241人でしたので、4,789人増加しています。
令和元年から令和3年までは減少傾向にありましたが、増加に転じた理由として、
新型コロナウイルス感染拡大による入国制限等が緩和され、留学生も入国できるようになったので、
その需要に伴い、教師数も再び増加したのではないかと思います。
又、2024年4月より日本語教育機関認定法が施行され、
それに伴い、登録日本語教員と呼ばれる国家資格が新設されます。
今まで民間資格であった日本語教師が国家資格になるということで、
教師の社会的地位や待遇の向上が期待され、魅力的な職業として見られてきていることも関係していると思います。
ではこれから、
いろいろな角度から「日本語教師数」を見ていきましょう。
機関・施設別に「日本語教師数」を見る
日本にいる日本語教師はどこで働いているのか。
Top3は
①法務省告示機関：12,702人(前年：11,198人)
②国際交流協会：8,682人(前年：8,070人)
③任意団体：5,867人(前年：5,049人)
です。
どの機関・施設も2021年度に比べて増加しています。
また、日本にいる日本語教師(44,030人)のおよそ3割が法務省告示機関で働いています。
●法務省告示機関とは？
名前の通り、
法務省が「日本語教えていいよ！」と許可を出した機関のこと。
授業時間や教員数、教員歴など法務省が定めた基準があり、
その基準を満たせば、学校(機関)の設立を認められます。
令和5年(2023年)9月29日時点で法務省に認められている学校(機関)は以下のページをご参考ください。↓
【出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令の留学の在留資格に係る基準の規定に基づき日本語教育機関等を定める件】
https://www.moj.go.jp/isa/laws/nyukan_nyukanho_ho28-2.html
※2024年4月1日より日本語教育機関認定法が施行され、文部科学省管轄の「認定日本語教員機関」が新設されます。
今までは日本に来る留学生(在留資格「留学」を取得)の受け入れは法務省管轄の「法務省告示機関」が担っていましたが、2024年4月からは「認定日本語教員機関」になります。
●国際交流協会とは？
地域に暮らす在日外国人と日本人の交流のために設立された組織。
※Wikipediaより引用
●任意団体とは？
人が何人か集まって作られた法人ではない団体。
例えば、個人により公共施設の一室や個人の自宅などで開かれた日本語教室など。
職務別に「日本語教師数」を見る
どのような従事(雇用)形態で日本語を教えている教師が多いのか。
多い順に、
①ボランティア日本語教師： 21,568人(前年：18,845人)
②非常勤日本語教師：15,891人(前年：14,230人)
③常勤日本語教師：6,571人(前年：6,166人)
どの職務も2021年度に比べて増加しています。
ただ、ボランティア日本語教師数が全体の日本語教師数(44,030人)のおよそ半数を占めている現状は変わっていません。
年代別に「日本語教師数」を見る
どの年代の日本語教師が多いのか。
最も多い年代は60代、次いで50代です。
(2021年度も同様)
以下各年代の内訳です↓
※円グラフ内の数字は日本語教師数を表す。
水色が60代(9,625人)です。2021年度は8,948人でした。
日本にいる日本語教師(44,030人)のおよそ4割が50代、60代の方です。
日本語教師が国家資格となり、一般的に魅力ある職業と認知され、
20代、30代の日本語教師が増えることを願います。
地域別に「日本語教師数」を見る
どの地域に日本語教師が多いのか。
最も多い地域は関東、次いで近畿です。
(2021年度も同様)
以下各地域の内訳です↓
※円グラフ内の数字は日本語教師数を表す。
橙色が関東(20,343人)です。前年度は18,191人でした。
日本にいる日本語教師(44,030人)のおよそ半数が関東で働いています。
他の内訳↓
北海道：451人(前年：429人)
東北：1,596人(前年：1264人)
中部・北陸：6,535人(前年：5919人)
近畿：9,253人(前年：8447人)
中国：1781人(前年：1684人)
四国：593人(前年：520人)
九州・沖縄：3478人(前年：2787人)
2021年度と比べてすべての地域で日本語教師数は増加しています。
さらに都道府県別に見ると、
TOP10は
①東京都：12,031人(前年：11,084人)
②大阪府：4,016人(前年：3,676人)
③愛知県：2,822人(前年：2,724人)
④兵庫県：2,746人(前年：2,340人)
⑤神奈川県：2,484人(前年：2,052人)
⑥千葉県：2,151人(前年：1,679人)
⑦埼玉県：1,918人(前年：1,832人)
⑧福岡県：1,906人(前年：1,678人)
⑨静岡県：1,384人(前年：1,299人)
⑩京都府：1,266人(前年：1,178人)
2021年度と比べて日本語教師数TOP10すべての都府県が増加しています。
また、関東地域の日本語教師(20,343人)のおよそ6割が東京都で働いています。
日本に日本語学習者ってどのぐらいいるの？（令和4年時点）
令和4年(2022年)11月1日時点で、
日本にいる日本語学習者は219,808人です。
令和3年(2021年)は123,408人でしたので、96,400人増加しています。
ここ数年の推移を見ると、
令和元年以降、減少傾向にありましたが、新型コロナウイルス感染拡大による入国制限等が緩和されたことも影響し、令和4年から再び増加に転じているので、
今後も増えていくのではないかと思います。
では、
いろいろな角度から「日本語学習者数」を見ていきましょう。
機関・施設別に「日本語学習者数」を見る
どの機関で勉強する日本語学習者が多いのか。
Top3は
①法務省告示機関：95,875人(前年：33,761人)
②大学等機関：54,524人(前年：41,730人)
③国際交流協会：19,601人(前年：13,559人)
です。
日本語学習者全体(219,808人)のおよそ4割が
法務省告示機関で勉強しています。
また、2021年度と比較すると①と②の順位が入れ替わっています。
(2021年は大学等機関で勉強する学習者が一番多かった)
出身地域別に「日本語学習者数」を見る
どの地域出身の日本語学習者が多いのか。
最も多いのは、アジア地域です。
(2021年度も同様)
以下各地域の内訳です↓
※円グラフ内の数字は日本語学習者数を表す。
※NIS諸国とは、1991年以前のソビエト連邦ならびにその構成共和国であった地域であり、同時にこの地域に存在する国家の総称のこと(Wikipediaより)
アジア地域出身の日本語学習者数は181,093人(青色)です。
日本にいる日本語学習者(219,808人)のおよそ8割がアジア地域出身です。
圧倒的ですね。
その他地域の内訳↓
南アメリカ地域：8,224人
北アメリカ地域：6,608人
ヨーロッパ地域：6,471人
ロシア・NIS諸国：4,371人
アフリカ地域：1,818人
オセアニア(大洋州)：925人
さらに国別に見ると、
TOP10は
①中国：67,027人
②ベトナム：31,643人
③ネパール：25,721人
④フィリピン：8,025人
⑤インドネシア：7,367人
⑥韓国：6,675人
⑦アメリカ：5,104人
⑧スリランカ：5,018 人
⑨ミャンマー：4,954人
⑩台湾：4,622人
【2021年度TOP10】
①中国：47,997人(前年：53,534人)
②ベトナム：24,735人(前年：35,839人)
③フィリピン：5,952人(前年：5929人)
④韓国：4,702人(前年：5,755人)
⑤インドネシア：4,677人(前年：5,127人)
⑥ネパール：4,291人(前年：9,314人)
⑦ブラジル：3,698人(前年：6063人)
⑧タイ：2,285人(前年：2,431人)
⑨台湾：2,038人(前年：3,347人)
⑩アメリカ：1,996人(前年：2,445人)
最も多いのは2021年同様に中国、次いでベトナムです。
このTOP2の順位は不動ですが、それ以下の順位には変化が見られます。
ネパールの日本語学習者が3位に上がり、インドネシアも5位を保持しています。
又、今までランク外だったスリランカとミャンマーがTOP10に浮上しています。
日本の地域別に「日本語学習者数」を見る
日本のどの地域に日本語学習者が多いのか。
最も多い地域は関東、次いで、近畿です。
(2021年度も同様)
これは『地域別日本語教師数』と同じですね。
以下各地域の内訳です↓
※円グラフ内の数字は日本語学習者数を表す。
関東で勉強している日本語学習者数は104,890人(橙色)です。
日本にいる日本語学習者(219,808人)のおよそ半数が関東で日本語を勉強しています。
他の内訳↓
北海道：2,754人
東北：6,511人
中部・北陸：28,038人
近畿：42,285人
中国：8,371人
四国：2,477人
九州・沖縄：24,482人
さらに都道府県別に見ると、
TOP10は
①東京都：67,707人
②大阪府：18,792人
③福岡県：13,938人
④愛知県：12,200人
⑤兵庫県：11,373人
⑥神奈川県：10,680人
⑥埼玉県：8,871人
⑧千葉県：8,180人
⑨静岡県：6,494人
⑩京都府：6,167人
【2021年度TOP10】
①東京都：39,655人(前年：44,069人)
②大阪府：10,124人(前年：14,558人)
③福岡県：7,093人(前年：10,875人)
④愛知県：6,895人(前年：9,423人)
⑤埼玉県：6,211人(前年：7,661人)
⑥兵庫県：5,952人(前年：7,671人)
⑦神奈川県：5,111人(前年：9,140人)
⑧千葉県：5,010人(前年：5,846人)
⑨静岡県：3,254人(前年：6,264人)
⑩京都府：2,601人(前年：3,346人)
関東地域の日本語学習者(104,890人)のおよそ6割が東京都で日本語を勉強しています。
2021年度と比較すると、TOP10すべての都府県で日本語学習者数は増加しています。
※今回の記事は文化庁の『令和4年度国内の日本語教育の概要』を参考にしています。
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