人生は苦痛ですか？
歌手平井堅さんが自ら作詞・作曲した
『ノンフィクション』
この曲をはじめて聴いたときは
「なんて暗い曲なんだ！」
という印象を受けました。
ただ、
やはり名歌手平井堅。
とてもメッセージ性の強い歌詞とともに
力強くもなんだか切ない歌声で私たちに語りかけてくれます。
以前も
米津玄師さんの曲『アイネクライネ』について紹介し、
たくさんの方々にページアクセスいただきました。
今回も同様に
平井堅さんの曲『ノンフィクション』の歌詞についてお伝えしていきます！
私の主観的な意見・気持ちが多いですが、ぜひお付き合いください！
現代社会を風刺した名曲
『ノンフィクション』は2017年4月から放映されたテレビドラマ『小さな巨人』の主題歌であり、平井堅さんの42枚目のシングルです。
私は、
平井堅さんの曲と言えば、『瞳を閉じて』『いとしき日々よ』くらいしか頭に浮かんでこないTHEにわかの人です。
『ノンフィクション』を聴いたのも、2020年に入ってからでした。
遅いですね。（笑）
冒頭にも記述しましたが、最初に聴いた感想は
『なんだか暗いな』
でしたが、
それと同時に
すごく胸に突き刺さるような歌詞ばかりで、
「『日本語』をこんなに巧みに使って自分たちの心に語りかける技術は見事だ！」
と勝手に称賛しました。
平井堅さんの『ノンフィクション』という曲。
出だしはこんな歌詞から始まります。↓
描いた夢は叶わないことの方が多い
優れた人を羨んでは自分が嫌になる
『将来は○○になりたい！』
小さい頃には大きな夢が持って、
「いつか自分はなれるだろう」と根拠のない自信もあった。
感性が豊かな10代の人たちは本当に希望で満ち溢れていますよね。
しかし、いつからでしょう。
高校生になったくらいでしょうか。
「サッカー選手になりたい」
「パイロットになりたい」
「お金持ちになりたい」
と口に出してあまり言わなくなったのは。
スポーツ選手や芸能人などテレビや雑誌で活躍する同世代の姿を見て
『才能』の重要さを知ったからなのか。
そのうえで、
自分の『位置』を知ったからなのか。
良くも悪くも、
人間はエゴイズムがある動物。
上手くいかない人を見れば、優越感に浸ることもあるし、
逆に
自分が上手くいかなければ、上手くいっている人を嫉妬することもあります。
みんながみんな
成功している、
良いことだけを享受している
というわけではありません。
さらに言うと、
これだけSNSが発展している現代。
他人の近況も身近にキャッチすることができます。
つまり、私たちは
自分を他人と比較して嫌になったり、悩んだりすることが
容易な環境に置かれています。
20代、30代と
社会にでて、周りを気にするようになり、
小さい頃には言えた大きな夢を声高らかに言えなくなる。
現実を知るようになる。
これが
『大人になった』
ということでしょうか。
子供のときは「なんでも好きなことができる」と信じ、
大人への憧れがありました。
しかし、いざ大人になれば
「君たちはなんでも好きなことができる」と子供によく言います。
子供だから感じることのできる思い、
大人になったからこそ感じることのできる思い
それぞれにあると思います。
惰性で見てたテレビ消すみたいに
生きることを時々やめたくなる
『死にたい』と
書いていません。
『生きることをやめたくなる』
と。
同じことだと捉えることもできますが、『生きる』ことへの否定がこちらの方が伝わってきます。
『なんのために生きているんだろう』
『生きている意味ってあるんだろうか』
『死んでもいいんじゃないか』
とふとした瞬間に思うときがあるのではないかと思います。
令和元年の日本の自殺者数は2万169人です。
平成22年以降、減少傾向が続き、昭和53年から始めた自殺者統計では過去最少となっています。
令和2年も11月までの統計を見れば、1万9225人となっています。
※警視庁HPより引用
「自殺者」は減っている。
国内だけを見て言えば、聞こえはいいですが、
世界と比べると、日本は高い自殺死亡率を記録しています。
アジアの中では韓国に次いでワースト2位の自殺死亡率であり、
先進国(G7)の中で唯一15歳から39歳までの死因第一位が自殺であるのは日本だけです。
がんや交通事故などを差し置いてです。
※厚生労働省「人口動態統計」より引用
コロナ禍の中で芸能人の自殺のニュースをよく見かけました。
「あんな有名人でも自殺するんだ。だったら自分も、」
「芸能人の自殺は一般市民の自殺を助長することになる」
と警鐘を鳴らしたお医者さんもいました。
『生きることをときどきやめたくなる』
こんなことを思うのは
「珍しい人」
とは言いきれない時代に来ています。
人生は苦痛ですか? 成功が全てですか?
「この曲を平井堅さんがどんな人たち聴かせたいのか」
こう考えたときに、思い浮かぶのは、
明るく楽しい人生を歩んでいる人
というよりは
悩んでいる人、先が見えない人、生きるのが辛い人
つまり
ダークな気持ちを抱えている人だと思います。
また、
何を成功と捉えるかは人それぞれですが、
「あの人を超えたい」
「あの事業を成し遂げたい」
と成功をつかむために頑張っている人にも
『無理はするな』
『気を抜いてもいいんだよ』
と
応援と言うよりかは小さなささやきを伝えているような気がします。
何のため生きてますか? 誰のため生きれますか?
『何のため生きる？』『誰のため生きれる？』
忙しく慌ただしい毎日。普段こんなことをゆっくり考える時間ってあまりありません。
目先のことを片付ける毎日。そんな毎日を乗り越えるだけでいっぱい。
社会のため
家族のため
自分のため
「生きがいって何だろう」
ふとした瞬間に思うのかもしれません。
信じたいウソ 効かないクスリ 帰れないサヨナラ
平井堅さんの日本語を巧みに操る技術に感服です。
本来、
『嘘』は信じたくないもの
『薬』は効くもの
『サヨナラ』は帰るときに言うもの
なのに。
ただ、
「嘘であればよかったのに」
と思うこと、
「薬では効かない気持ち」
があること、
「さよならしたい」
けれどできない。
人の困難や苦渋をこの３つで表しています。
もし、こんな困難や苦汁を味わうようなことがあれば、
叫べ 叫べ 叫べ
声に出して言うこと
誰かに伝えること
も大事なのかなと思います。
最後に
今回は平井堅さんの『ノンフィクション』についてお伝えしました。
ただ、
『死にたい』とか
『何のために生きてるんだろう』とか
正直、わたしは今までこのようなことを思ったことがないので
「このような気持ちを持っている人の気持ちが分かる」と断定するのはお門違いです。
あくまで個人の主観として捉えて、読んでいただけたらと思います。
あるテレビ番組であるキャストが言っていました。
「よく、悩んでいる人がいたらその人の
『悩みを聞いてあげよう』『相談にのってあげよう』と言う人がいますが、
悩んでいる人からしたら『相談できないことが多い』のでは」
「なぜなら、そういう人は『優しい人』が多いから人に迷惑をかけたくないと思ってしまう」
「結果、自殺という選択肢を選ぶ」
これを聞いて、わたしも同感するところがありました。
冷たく聞こえますが、結局は『個人の問題』、
それを解決するのも『自分自身』なんだと。
映画やドラマのように『フィクション』ではない
『ノンフィクション』で生きている私たち。
辛いことも嫌なこともたくさんある世の中ですが、
それを踏まえてみなさんの人生がとても良いものでありますように！！！
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
『ノンフィクション』平井堅
平井 堅 『ノンフィクション』MUSIC VIDEO (Short Ver.)
【歌詞】
描いた夢は叶わないことの方が多い
優れた人を羨んでは自分が嫌になる
浅い眠りに押しつぶされそうな夜もある
優しい隣人が陰で牙を剥いていたり
惰性で見てたテレビ消すみたいに
生きることを時々やめたくなる
人生は苦痛ですか? 成功が全てですか?
僕はあなたに あなたに ただ 会いたいだけ
みすぼらしくていいから 欲まみれでもいいから
僕はあなたの あなたの 本当を知りたいから
響き消える笑い声 一人歩く曇り道
僕はあなたに あなたに ただ 会いたいだけ
何のため生きてますか? 誰のため生きれますか?
僕はあなたに あなたに ただ 会いたいだけ
人生を恨みますか? 悲しみはキライですか?
僕はあなたの あなたの 本当を知りたいから
秘密 涙 ひとり雨 目覚めたら襲う不安
僕はあなたに あなたに ただ 会いたいだけ
信じたいウソ 効かないクスリ 帰れないサヨナラ
叫べ 叫べ 叫べ
会いたいだけ
