ルワンダのジェノサイドとは
1994年にルワンダで起きた大量虐殺のこと。当時のルワンダの大統領「ハビャリマナ大統領(フツ族出身)」が暗殺されたことをきっかけに、フツ族過激派によるツチ族とフツ族穏健派の虐殺がおこなわれた。この虐殺は約3か月間続き、100日間で80万人が死んだ出来事である。
詳しくはルワンダ虐殺を参照ください。
この虐殺の怖いところは、虐殺が他国からの侵略で起きたものでもなく、戦争でおきたものでもない。同じ民族同士で起きたということ。
昨日まで、「おはよう。今日もいい天気だね。」と気軽に挨拶していた隣人が
殺人者に変わる。
殺人の対象なる。
フツ族、ツチ族というだけで。
フツ族とツチ族。
身分、階級といった歴史的な背景はありますが、外見的特徴は変わりません。
なぜ世界はルワンダを救えなかったのか?
当時、ルワンダでこの出来事に携わったPKO司令官のロメオ・ダレールさんは自著「なぜ世界はルワンダを救えなかったのか」の中で以下のように言っています。
国連とは国際社会を象徴する存在にすぎない。国際社会は、それぞれの国益を超えてルワンダの利益のために行動することができなかった。何らかの対応をすべきだということについてはほとんどの国家は同意していたが、どの国も、この問題に対応すべき国家は自国ではないという言い訳を用意していた。その結果として国連に、悲劇を防ぐための政治的意思と物理的手段が与えられることはなかったのである。
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救援するにもその分の人員と食料、衣服といった物的資源がいります。
そのために莫大なお金が必要です。
ルワンダの虐殺があったのは第二次世界大戦が終わった後なので、どの国も自国のことであたまがいっぱいです。他国のことに気をかけることも、ましてや支援することなど考えるにいたることができなかったのです。
このようなことを「フリーライダー問題」といいます。
フリーライダーとは。
すごいわかりやすく極端な例を挙げると、現代でもよくある「大学の講義」。
講義にでたら出席カードの記入が必要なことってありますよね。
そのカードの記入を友達に書いてもらう。
自分は講義を受けていないが、友達に書いてもらうことで、自分もその講義を受けた、とすることができる。
このようなことは、今の国際社会でもありますよね。
今話題になっている環境問題。アメリカが「パリ協定」から脱退しました。
環境問題に関連する国際公約である「パリ協定」。
それに脱退するということは、
環境問題に
国際的に携わりたくない。
コストをかけたくない。
自分たちだけでやってくれ。
ということ。
「アメリカファースト」をかかげるトランプ政権になってフリーライダー問題はほかにも生じてくると思います。
私たちの無関心
「ホテル・ルワンダ」という映画を観たことがあります。ルワンダのジェノサイドを題材にした映画です。以前、他の記事でもこの映画を少し取り上げました。
最初から最後まで衝撃的だったこの映画ですが、一番印象に残った場面があります。
フツ族がツチ族を虐殺する瞬間を録画することに成功したカメラマンに主人公がお礼をする場面。
主人公「感謝します。これを世界に報道してくれれば、世界中の国がルワンダに救援を向けてくれるでしょう」
カメラマン「救援なんてくるのか。世界の人々はあの映像をみて『怖いね』というだけでディナーを続ける」
無関心。
現場にいない自分たちには何もすることはできないかもしれない。
でも「関心をもたない」ということはない。
ニュースをみて、本読んで、そのトピックについて「考える」ということはできる。
貧困、テロ、移民などいろいろな問題が世界で起きています。
この問題を解決するのは、私たちの小さな関心からかもしれません。
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