となりのたしまさん。

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となりのたしまさん。

増えているのに「移民」じゃない!?日本における「移民」の定義とは?

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みなさん、『移民』という言葉を聞いたら何を思い浮かべますか?

 

その人の国で戦争などが起きて、生活することが難しくなって、他の国に移った人たち。

その人の国では稼げないから他の国に移った人たち。

 

国の政治状況や経済状況などから判断して、悪い国から豊かな国に移る、ってイメージがありますよね。

 

日本で働きたい、日本で暮らしたいと考える外国人の数は増えています。

日本には、282万9416人の外国人がおり、増加傾向にあります。

(令和元年6月時点)

日本の都道府県別の人口と比べると、日本で第13位の広島県(275万6113人※外国人含めない)より多い数字となります。

(令和2年1月1日時点)

※広島県HPより

ちなみに京都府の人口よりも多いです。京都府は第14位で258万1570人。

(令和2年1月1日時点)

※京都府HPより

日本は、GDP(国の豊かさをを示す経済指標)をみると、アメリカ、中国に次いで第三位。日本経済は、世界の中でも豊かな国に位置していると、データの上では実証されています。

 

日本にどんどん外国人が増えている。

しかも定住している。

 

これって『移民』じゃない!?

 

って思いますよね。

 

2018年の12月の臨時国会で入管法改正案が成立しました。

「日本は労働力不足が深刻なので即戦力となる外国人を幅広く受け入れていく仕組みを作る必要がある」

どんどん外国人を日本に受け入れるスタンスに舵を切りました。

 しかし、安倍首相は、国会の答弁では何度も「移民政策はとらない」と言い続けています。

 

えっ、じゃあ『移民』って何なの?

 

移民』についてもう少し掘り下げてみていきます。

 

「移民」の定義

【広辞苑】

他郷に移り住むこと。特に、労働に従事する目的で海外に移住すること。また、その人。

また、移民労働者は外国人労働者と同じ意味合いを指すとも書かれています。

ということは、

日本に現在住んでいる146万0463人の「外国人労働者」は『移民』ということになります。

 

【国際連合広報センター】

国際移民の正式な法的定義はありませんが、多くの専門家は、移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意しています。3カ月から12カ月間の移動を短期的または一時的移住、1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住と呼んで区別するのが一般的です。

この定義でみれば、「外国人労働者」はもちろん、長期で日本に滞在する「留学生」も『移民』にあてはまります。

日本の留学生は現在、29万8980人にいます。

(平成30年5月時点)

どちらの定義をとっても、日本に『移民』がいることは間違いありません。

しかし、日本政府は「移民政策は断じてとりません」と拒んでいます。

 

では、今の日本政権(安倍政権)が掲げる『移民』の定義とは、

どんなものなのか見てみましょう。

【「共生の時代」に向けた外国人労働者受け入れの基本的考え方】

「移民」とは、入国の時点でいわゆる永住権を有する者であり、就労目的の
在留資格による受入れは「移民」には当たらない。

※自民党HPより引用

 

日本に入国した当初から永住権を持ってなければ、『移民』ではないとのことです。

これによると確かに、いま日本にいる外国人は『移民』に該当しません。

 

なぜこのように『移民という表現を拒むのか?

 

それは、日本にとって、『移民』という言葉がまだ「よくないイメージ」を連想させるからだと思います。

「2016年にヨーロッパで立て続けに起こったテロ事件などが影響して、『移民』=犯罪者というような悪いイメージを持っている人が多かったり、「移民が増えれば、犯罪率も上がって、雇用の機会も奪われる」というように、正しい理解がなされていないことも原因ではないかと思います。

毛受敏浩氏より

 ※「コンビニ外国人」著者芹澤健介より抜粋

移民』という言葉には「よくないイメージ」を連想させ、選挙においてもプラス要因にならない可能性もあります。

 

しかし「ソト」では、

2018年12月10日、国連の会議において、日本は、「移民保護の取り組み」に署名しました。

「国連移住グローバル・コンパクト」という国際的な取り組みで、「移民・移住者の人権保護を目的とした国内における施策や国際協力のあり方の枠組み」となります。

www.mofa.go.jp

 

日本国内(ウチ)では、「移民政策はとらない」と言い、

現在、日本にいる外国人は「移民ではない」と否定しながらも、

世界(ソト)では、移民の権利を保護する枠組みに賛成しています。

 

うーん、矛盾していますね。 

 

私たちにできること。

やはり一番問題なのは、『移民』のイメージがよくないということ。

世界中で「移民問題」に関するニュースがたくさん取り上げられています。

移民』が増えることは「悪」。

外国人』が増えることが「悪」。

そういった「見方」を変えていく必要があります。

論理的に考えても、日本人の働き手はどんどん減っているので、外国人の働き手を増やしていくことは、もはや重要課題です。

外国人との「共生」を意識しなければなりません。

わたしは、スーパーやコンビニに行って、そこで働く外国人をよく見かけます。

レジで商品を通してもらうときや釣銭をもらうとき「ありがとう」と言ったり、「愛想よくしよう」と心掛けています。

外国人との小さなコミュニケーションが、こういった「見方」を変えていけるのではないかと信じています。

 【参考著書】